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by kai
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■『YADANG/ヤダン』公開記念来日舞台挨拶付き上映
『YADANG/ヤダン』公開記念来日舞台挨拶付き上映@バルト9 シアター9

残業になってヒヤヒヤしたがギリ間に合った、よかった… えっこれめちゃめちゃ面白いぞ! ノワールだ! こういうの久々でないの!? ヘジンさんにもやっと会えた〜 『YADANG/ヤダン』

[image or embed]— kai (@flower-lens.bsky.social) Jan 10, 2026 at 1:29
昨秋の『コリアン・シネマ・ウィーク 2025』で公式初来日だったユ・ヘジンさん。舞台挨拶は倍率10倍(!)の激戦で勿論外れましたし、今回カン・ハヌルさんも一緒なのでまたダメかも……と戦々恐々だったのですが当たったよ〜!

原題『야당(ヤダン/野党)』、英題『Yadang: The Snitch』2025年、ファン・ビョングク監督作品。検察と麻薬組織、どちらからも頼りにされどちらからも疎まれる闇社会の仲介人「ヤダン」。そこへ検察に手柄を横取りされた警察も絡んできて……? 消されかけたヤダンの起死回生、そして逆襲。おおおそうなるか、そっちに行くか! こっこれは“華麗なるリベンジ”!

検察への忠誠か、警察との絆(?)か…なにこれ『新しき世界』(キャッチコピー「“父”への忠誠か、“兄”との絆か。」)みたいじゃない! “ヒョン”がキーワードってとこもさあ! あと小道具の使い方な! 兄弟の契りを交わした証のライターがそんな……巧い! 痛快だけど後味はほろ苦。正義は勝つという話ではないけど、落とし前はしっかりつく。バディが途中で変わってからのドライヴっぷりがすごい。最後迄どっちに転ぶかわからない展開でハラハラしたよ。全滅のバッドエンドか、それとも? というスリルが中弛みせずずっと続く。重いテーマを扱ってい乍ら、軽快さがある。

クスリダメゼッタイなんだけど(薬物に囚われた人間がどこ迄醜悪になれるかもつまびらかにする)、彼らがクスリに手を出すことになった経緯や背景、社会復帰を許さない世間の陰湿さをも見逃さず描く。立ち直ったとしても傷が癒えることはなく、いつまたスリップするかの恐怖と闘い乍ら生きていく。しかしどこかに必ず、立ち直ることをサポートしてくれるひとはいる。命を落としたあの子たちは、最後にちょっとだけ大人を、世界を信じていいと思った筈。そうであってほしい。だってさあの場面、不可抗力というか偶発的なアクシデントだったじゃん。刑事さん悪くないじゃん…でも言い訳しないで謝ってさ……守ってやれなかったことに対してちゃんと謝って。そういう大人がいたってことをあの子たちは知ることが出来たのだ。

役者が揃ってイキイキしていた。ハヌルさんすごい! 『空と風と星の詩人』で尹東柱を演じたひとだと気づいたのは帰宅後だった……ちょ、まるで違う! わかんなかった! 薬物中毒になる前のおぼこっぷり、ヤダンになってからのイケイケドンドンっぷり、復讐に立ち上がってからのやり手っぷり……道を外れた人物が、閉ざされた将来をこうして切り拓いていくのか。それを見せてくれた。

ヘジンさんは出世欲にまみれた検事役。よかった(悪かった)なー。しれっとした顔でヒドい指示出すなお前。「韓国の検事は大統領の運命をも左右できる」と言い放つシーンにはシビれた。いい台詞! 今回悪い意味で使われてたけどな!(笑)でも故郷の母ちゃんのためにもがんばんなきゃ! 偉くなんなきゃ! って背景がこのひとにもあって、どこから道を間違えてしまったんだろう、という哀愁もしっかり感じさせる人物像になっててよかった。あの現場に大統領候補のアホ息子がいなければ、ずっとヤダンとやってけたかも知れないのにね。

そして刑事役のパク・ヘジュンがめちゃよかった。“皇帝”ってネーミングもいいし、皇帝と呼ぶにはあまりにも熱く泥臭い現場の人間ってところもいい。家族思いのところもいい、パーマあててる♡ところもいい。いや、直近で観たのが『ソウルの春』だったからさ…序盤は「盧泰愚のくせに〜!」とメラメラして観てたけど、なんだよめっちゃ粋な役じゃん! いいイメージで上書きされたわ。舞台挨拶来てほしかったな!


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01月09日(金)
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