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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■ホールのPenguin Cafe
Penguin Cafe 来日公演 2017@すみだトリフォニーホール
フライヤー記載の来日メンバーとパートを書いておきます(自分用メモ)。
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Arthur Jeffs(Piano, Cuatro*, Ukulele, Percussion)
Cass Browne(Percussion)
Andrew Waterworth(Double Bass)
Rebecca Waterworth(Cello)
Darren Berry(Violin)**
Oli Langford(Violin)
Clem Pillal(Violin)***
Vincent Greene(Viola)
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* 四弦のミニギターみたいなやつ。ウクレレのもとになったラテンアメリカの楽器とのこと→クアトロ|民族楽器コイズミ
** 今回のツアーではヴァイオリンは弾かず、ウクレレやパーカッションetc. のオールラウンダーでした
*** 新加入かサポートか。アー写にも姿がありません
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前々日のクラブ公演から一転、メンバーの衣裳もシックで、何人かは一部と二部でおめしかえも。特に女性陣、一部ではカーテンみたいな柄(語彙…調べた。ダマスクというらしい)のロングドレス、二部ではシックな黒のドレスととても素敵でした。そうそう、ヴァイオリンのクレムはクアトロではミニスカートで、綺麗な脚のラインにドキドキしたもんでした。このときアーサーに今回のツアーのオフ日はサーフィンしたとかしたいんだってと紹介されてたのも頷ける、スレンダーでヘルシーな容姿の持ち主。
アーサーとダレンはペンギンヘッドにガウン姿で登場、その扮装のまま一曲目をまるっと演奏。手元見えてるのか? まあ見えなくても弾けるか。サービス精神あふれるひとコマでした。中山晃子によるアライヴペインティング(別室で描いているものをリアルタイムでステージのスクリーンに投影)やゲストミュージシャンとのコラボと、ホール公演ならでは、プランクトンならではの楽しく華やかな趣向。
サイモンとアーサーの曲がバランスよく並んだ今回の演奏を聴いて思ったのは、アーサーの曲はドラマティックで、エモーショナルで、情熱的。それも静かにふつふつとわきあがる風情のもの。アンコール一曲目、ステージにひとり現れたアーサーが演奏したピアノソロ「Harry Piers」にそれを顕著に感じました。軽やかに滑り出したリフが次第に熱を帯びる、悲哀にも歓喜にも振れるような感情を呼び起こされる。新作のタイトルは『The Imperfect Sea』。不完全な海を、ペンギンたちがわたっていく。地上ではよちよち歩きだが、水中では敏捷に、自由に泳ぎまわる。しかし弦の響きには震えるような波があり、それが不安をかきたてる。ペンギンたちは流されているのか、流れに身を任せているのか。それとも荒波のなか、力尽きる迄泳ぐのか。哀歌のような響きを持つ「Cantorum」に涙。
中山さんのアライヴペインティングは、そんなイメージにぴたりと寄り添うものでした。砂、水と色を用い、マーブリングのような技法も。波打ち際、潮の流れによって流されていくもの、流れ着くものを連想させる。漂流と漂着。少し恐ろしく、寂しく、しかし安らぎを覚えるものでもありました。
ゲストの相対性理論とは三曲をコラボ(セットリスト参照)。当初の発表ではやくしまるえつこ、永井聖一、山口元輝とそれぞれ個人名でアナウンスされてたんだけど、普通にアーサーに「ソータイセーリローン」と紹介されてましたね。楽しいセッションだったけど、ペンギンカフェの二曲はアコースティック編成のままで聴きたいという思い入れの強い曲だったのでクラブ公演もいっててよかったな。まつもと公演のゲストは大貫妙子、こちらも楽しそうだなあ。
父と息子の色がありつつ、共通するのは優しいユーモア。オーラスの「Salty Bean」でアーサーは、小さなおもちゃみたいな笛(あれなんて楽器だろ)をふたつ同時にピーピー吹いて、ステージと客席をニコニコ眺めていた。思わずこちらも笑顔。楽しい時間は必ず終わる。アーサーが地声で「Hey!」と手を挙げる、礼をする。また会えますようにと拍手を贈る。
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セットリスト
参照:
2017.10.07(土)
ペンギン・カフェ@すみだトリフォニーホール
に行ってきた。
終演後、楽器をジロジロ見ていたらOliがセトリくれたよ。
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10月07日(土)
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