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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『暗殺』『男と女』
『暗殺』@新文芸坐

新文芸坐年末企画『シネマカーテンコール 2016』のおかげで間に合いました。や〜観逃さなくてよがっだ(スクリーン逃すと諦めがちなひと)、めっちゃおもじろがっだ…爺や〜!

日本統治下の朝鮮半島激動の時代、ある暗殺作戦のため結成された三人の部隊。彼らをスカウトした韓国独立軍の警務部長(実は日本の密偵)、その警務部長から暗殺団の殺害を依頼された殺し屋。彼らは何に対して忠誠を誓うのか、何に信念を通すのか?

展開が展開を重ね裏切り裏切られいやもともと裏切ってるつもりはなかったのよ? 時代がそうさせたのよ、そういうもんでしょ、いやいやそれでも信念というものがあるのだよ〜! アクション、サスペンス、エンタテイメント。そこへ絶妙のタイミングと塩梅で差し込まれ、山椒のようにピリリときくコメディとロマンス。揃いも揃って痛快極まりない。そう、痛快。苦味はあるが後味がいい。韓国における「恨」とは深い悲しみのことであり、それが映画では徹底した復讐といったかたちで描写されるイメージがありましたが、この『暗殺』はそこからまた一歩モダンな表現に進んだのだという印象。所謂抗日映画だ〜とかいってる場合じゃないぞ。このあたり菊地成孔が興味深いレヴュー書いてたのでリンク張っておきます。

・菊地成孔の『暗殺』評:「日韓併合時代」を舞台にした、しかし政治色皆無の娯楽大作

膨大な情報量を見事に交通整理した脚本と演出、スタイリッシュな衣裳と美術のなかで水を得た魚のように泳ぎまわる役者たちの魅力的なこと。チョン・ジヒョン、イ・ジョンジェ、ハ・ジョンウとスター揃いですがここへチョ・ジヌンにオ・ダルスですよ。たまらんキャスティングです。しかも皆その役にしか見えない。そりゃ序盤はえっジョンジェさんいきなりそんな、とかダルス出てきたー♪とかニヤニヤしましたが途中からそれどころじゃなくなったもんね。ダルスさんはもう爺やとしか……ハワイ・ピストルなんてふざけた名前の殺し屋にずっと寄り添う爺やですよ。そのハワイさんはジョンウさんですけどね。ハワイさんがピンチに陥っても爺やが絶対助けにくる、爺やたよりになる、ハワイさんも爺やにしか見せない顔を見せる。だからも〜その行く末がせつなくてね……。ジヌンさんも素敵だった…ユーモアを忘れなくてさ。のらりくらりとしてそうでいい仕事してさ。ああいうひとほどああいう結末がハマるんだよ、せつない!

それにしてもジヒョンさん素晴らしかった。『ベルリンファイル』でのアクションも印象的でしたが今回のガンアクションも見事。『高地戦』でキム・オクビンが演じた“2秒”といい、女優が演じるスナイパーの魅力、たまりません。双子、ちょっと目が悪い、眼鏡を作りに行った三越(そう、三越がクライマックスの重要な場所!)で……といったストーリーに貢献するキャラクター像もよかったな。たったひとりで暗殺へ赴く強さ、「怖い」といい、涙を流す弱さ。そして最後の最後に見せる、やはり、の強さ。狙撃手アン・オギュン、忘れないよ〜!

ジョンジェさんジョンウさんのステキングっぷりはもう言葉になりません。いーやー格好いいね! あとやっぱり映像の粋を知っているというか、ここぞというときに見せる仕草や表情の出し方を心得ているというか。何度はっとさせられたことか。

出会いはただの偶然か、時代が呼んだ運命か。束の間の同胞は人生の同胞。命をかけ、約束を守り、筋を通す激しい人生をおくる人々がいた。彼らを生き生きと活写した監督はチェ・ドンフン。憶えた!

はあ〜ものすごくおかしな感想になってますが年末故ということで。ギリギリで今年のベストに滑り込みましたよ、面白かった! 面白かった!

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山岸門人と神戸アキコ 二人芝居『男と女』@サラヴァ東京

小劇場の芝居が好きで、いろんな意味で「売れていく」役者を観てきたひとにはグッとくるのでは。笑って笑ってほろ苦く、それでも最後は拍手、拍手。


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12月28日(水)
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