ID:43818
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by kai
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■高橋徹也 20th ANNIVERSARY『夜に生きるもの 2016』
高橋徹也 20th ANNIVERSARY『夜に生きるもの 2016』@Star Pine's Cafe

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vo/g:高橋徹也、b:鹿島達也、drs:脇山広介、key:sugarbeans、pedal steel:宮下広輔、tp:尾崎あゆみ、tb:上杉優、ts:高井汐人
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いーやー……確認のために音源聴きなおしたいんだけど、ライヴがあまりにも素晴らしかったので上書きする気持ちにまだなれず。上書きつったってそのアルバムの楽曲をやったんでしょうがって話ですけどね。あのアルバムがあったから今回のライヴがあった訳で。しかし『夜に生きるもの 2016』と銘打ったとおり、この夜の音は音源のなかにはない。あのときあの場にしかない。

昨年辺りから高橋さんは「デビュー二十周年に向けていろいろ考えている、ライヴのことも」とことあるごとに話していたが、その内容がアナウンスされたときは少なからず驚いた。二十周年を記念して行なわれるライヴで、デビューアルバムではなく、数字的な区切りがある訳でもない、1997年リリースのセカンドアルバム『夜に生きるもの』からの楽曲を中心にセットを組む?

しかしそれがどういうことなのかは、少し考えれば合点がいく。このアルバムが本人にとってどれだけ重要か(自身も「代表作のひとつ」と言っている)、この作品がどれだけエヴァーグリーンなものかは周知の通り。そこへ可能性が加味される。デビューから二十年を経て、当時より演奏のスキルや表現力に磨きがかかっているという自負はあると思う。自身の新たな感性を発見、獲得することもあっただろう。新しい出会いもあった。ひとつの到達点であるこの作品を今どのように表現出来るか。きっと意義のあるものになるという思いが本人のなかにあったのではないだろうか。機は熟した。

ちなみにこのアルバム、振り返るにつくづくメンツがすごい。個人的には菊地成孔が演奏、ホーンアレンジとかなりドップリ噛んでいるところにも興味と魅力を感じていた。そこへ今回のライヴメンバーが発表になり驚いた。dCprGのメンバー、高井汐人の名がある。えええどういう縁? てことはあれよ、音源では菊地さんが演奏したあれやこれやを高井さんが演奏する訳でしょ、シェー(白目)。この時点で相当盛り上がってまして、自分にしては珍しく予習かってくらい当日迄音源を聴き倒していたのですが、聴けば聴く程25歳でこんな作品をつくった高橋徹也に恐れをなし、寒気が起きること数知れず。納涼。異才には異才が集まってくるのねという言葉だけで片付けていいんだろうかというね……いやもーホントこのアルバムに菊地さん呼んできてくれてありがとー! 誰が呼んできたのかしらね……感謝感謝、スタッフに感謝、キューンに感謝ってなものです。

で、繰り返し「ナイトクラブ」のホーンセクションを聴いていた訳です。いーやー気持ちわるくて気持ちいいわー。真剣に聴いてるとオエーとかなるわ、以前ゴセッキーがUA『la』の菊地さんによるホーンセクションアレンジ聴いてて具合悪くなった(それくらい入り組んでる)話思い出すわ。ひとすじなわではいかないポピュラーミュージック、毒気と妖気のアレンジ。これがライヴで聴けるのか、曲順どうなるのかな、まずはアルバム通りで、それだけだと一時間もないから、あとは何やるんだろ、なんて楽しみにしていた。


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09月23日(金)
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