ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■mouse on the keys『Live at Red Bull Studios Tokyo』release tour
mouse on the keys『Live at Red Bull Studios Tokyo』release tour@UNIT

昨年六年振りにフルアルバム『the flowers of romance』をリリースした際、レコーディングに使ったRed Bull Studios Tokyoの感触がとてもよかったらしくまた使ってみたい、いろいろ試してみたいとメンバーがインタヴューで話していた。再会は早かった、スタジオライヴレコーディング〜CDリリースとなりました。いやーこれは聴きたかったやつ! 出してほしかったやつ! 過去リリースされた作品はどれも完成度が高く、かつ長く聴き続けられる強度を持つものばかりですが、プレイヤーのスキルとアイディアはどんどん更新されているのです。2011年に出たライヴドキュメンタリーDVD『irreversible』に収められている楽曲も、アルバムとは違う演奏、違う空気、違う熱さがつまっていますし。インプロから展開が拡がる場面も増える一方なので、現在の演奏をなんらかの形で残してほしいなあ…と思っていました。嬉しいわ〜。

この日はmotk+ケンジー(sx)の四人編成。ステージ後方に縦長スクリーン三面、VJは誰だったのかな。ケンジーくんは昨年秋のCUTUP STUDIO(タワレコ)でのミニライヴで初お目見え(確か。私が観たのが初めてだったってだけかもしれない)だったひとですね。このときのライヴも、sxがネモジュンとふたりっていう初めて聴く編成で面白かったんだよなあ。

いんやーすごかった。いつもすごいけど。結成十年目とのことで今年は毎月ライヴやります、そのライヴが国内とは限らないけどと川崎さんが仰ってましたが、十年目にしてこんなのびしろあるってなんなの…あんまりすごいもの観ると笑いがこみ上げますわ、あまりの凄まじさにニヤニヤするやら真顔になるやらで忙しかったわ! 当初はコンピュータで構成迄ガッチリ作り込んだ楽曲を完璧に再現する、ということに主眼がおかれていたように思いますが(実際川崎さんもインタヴューでそう話していた記憶がある)今はその先への意識がある。タフなツアーと日々の本番、再現を追求していくうちに、完璧に作り込んだと思っていた楽曲には可能性がいくらでも秘められていると気付く。そしてその可能性を掘り起こす技術が、ライヴとリハを繰り返すことで身についている。柔軟性も備わる。「十年もやってると飽きたりもういやになったりするけどこのバンドにはそれがない、やりたいことも試してみたいこともどんどん出てくる」。川崎さんのMCに大きく頷きましたよ……。

コードやリズムパターンから次は何の曲か、どういう展開になるのかを予想する楽しさも増えた。川崎さんと清田さんはお互いをよく見ていて、フレーズやリズムを仕掛けたり仕掛けられたりしている。清田さんってあの高速パッセージからmotkのクールを体現しているような印象もあるけど、ときに川崎さん以上に熱いひとですよね…ハッチャケたときの爆発力がすごいというか。それでいてあれだけ運指が乱れないってところもすごいんですけど。この川崎×清田のガチンコを要所要所で押さえているのが新留さん。ベースラインを担当するところも多いから、というのもあるだろう。彼がいないと崩壊するんじゃないか、と思うこともときどき。


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03月06日(日)
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