ID:43818
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by kai
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■菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール 結成10周年記念公演『歴史は夜作られる』第一夜
菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール 結成10周年記念公演『歴史は夜作られる』第一夜@品川インターシティホール
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菊地成孔(vo、sax)、林正樹(p)、鳥越啓介(b)、早川純(bdn)、堀米綾(hpf)、大儀見元(perc)、田中倫明(perc)/梶谷裕子(vn1)、高橋暁(vn2)、三木章子(va)、森田香織(vc)
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第一夜・楽団員たちとともに(演奏のみ/インストオンリー)、第二夜・客演者たちとともに(歌唱のみ/ソングブック)と言うプログラム。第一夜のみ行ってきました。…いや、発表されたのが一ヶ月前くらいでしたよね? もうちょっと早く言ってくれれば……実のところこの日も他の芝居を入れていたのだが、チケットを譲渡出来たので行けることになった次第。結構あたふたした。
初めて行くホールだったので事前にアクセスやホール構造を見てみたら、なんとなく段差がなさそうな気配…規模は違えど初台オペラシティのコンサートホールと同じ感じか……果たして入場してみればそのとおりでございました。前述のとおり出足が遅れたのでちょっと後ろ目の席、よって視界は狭い。このオルケスタはヴィジュアル系(菊地談)なので、あの楽器と楽団員が佇む光景をしっかりと目にしたかったがまあ今回は仕方がない……その分音に集中出来たのはよかった。音響もよかったですし!
今回おわーとなったのは、まあそれが当たり前だと言えばそうですがやはり演奏でして、10周年と言う時間を感じさせつつもかつてないフレッシュな演奏が聴けたところ。楽曲が本来持っているポテンシャルを引き出す演奏と言うものは、やはりプレイヤーに依るものが大きい、と言うところ。これも当たり前か。今回初めてこのオルケスタのスコア(「嵐が丘」)がリリースされ、菊地さんが「早川くんのソロも大儀見のソロも起こしてあるんで完コピ出来ます…出来るのか?!」と仰ってましたが(笑)、コピーは出来るかも知れない。でもそのコピーは決してこのオルケスタとは同じようには鳴らないだろうなと思い知らされました。しかし再び菊地さんが言うとおり、「楽譜は眺めて(読んで)楽しむ、と言うことが出来ますからね。オタマジャクシを追いながら脳内再生したり、音源をかけて聴き乍ら読んだり」。……そうなると、どの音源からソロの譜面起こしたのか気になりますけどね…同じ演奏は絶対にないからね……。
(20150623追記:スコア出版の紹介記事(リンク先)に「『ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ』(2009)収録音源に基づく徹底的な採譜」と記載されている、とむんむんさんにご指摘頂きました。ほんとや…(節穴)有難うございます!)
なんてことをうだうだ考えているのは、今回菊地さんと鳥越さんのやりとりがすごかったんですよ。いやどのメンバーも毎回すごいけど…なんて言うのか……何故コンダクターの正面に、PTAの場合は鳥越さん、dCprGの場合はアリガス、NKDSの場合は鈴木さんがいるのかってこと迄考えさせられた。ベースはバンドの屋台骨であり、同時に現場監督でもある。演奏の渦中にいて、コンダクターのグルーヴを演奏者に伝達する。今回マルチBPMのどの拍を拾ってソロを載せるか、今迄と変えてきたところがあったんですが、菊地さんが先なのか鳥越さんが仕掛けたのかもはや判らない…菊地さんだったかなー。どちらにしろいちばん反応が早いのが鳥越さんで、そこからバンド全体のグルーヴがギアチェンジするさまが何度生まれたことか。
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06月20日(土)
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