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by kai
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■『甘い人生』『建築学概論』
昨日に引き続きシネマート六本木。入り浸りで『悪魔を見た』も観たかったんだけど、体力(肩凝り)的に二本が限界でございました。せっかくなので? おひるごはんは六本木ヒルズの韓美膳でチーズスンドゥブ定食を食べましたよ。ウマー。

人生なが〜い、そしてみじか〜いとしみじみした二本。

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『甘い人生』@シネマート六本木 スクリーン2

シネマート六本木クロージング企画、『韓流祭』の「イ・ビョンホン祭FINAL」。ビョンホンさんの仕事を初めてちゃんと観ました…と言うのもこれ、ファン・ジョンミンが出演してるんですよ。この作品で注目され、同年の『ユア・マイ・サンシャイン』で実力派の地位を確固たるものにしたようです。

原題は『달콤한 인생(甘い人生)』、英題は『A Bittersweet Life』。本国でも日本でも2005年に公開(昨日観た『母なる証明』もだけど、同年に公開されてるところが韓流四天王たる所以ですね。この日も、平日午前中+過去作品であるにも関わらず超盛況でした)、監督はキム・ジウン。

ボスが上海に出張に行ってる間になんかある…と言うところに『新しき世界』を思い出してしまったり、ジョンミンさんがフィリピン絡みの仕事をしているってところにニヤニヤしてしまったり。いやね、ジョンミンさん、子供のときの渾名が「フィリピン」だったそうなんです(顔立ち参照。それにしてもこの渾名付けたひといろんな意味ですごいセンスだ)。『傷だらけのふたり』では「赤い顔の猿」って言われてたし(……)当て書きかと言う。しかし観ている限りの印象ですが、韓国では映画と映画スターが深く社会に溶け込んでいることをとても強く感じます。ジョンミンさんに限らず、その作品に出ている役者の他の出演作の小ネタが織り込まれていたり、役者本人に関するプライベートなエピソードが反映されていたりする。「国民的俳優」「韓国の母」「韓国の妹」と言ったキャッチフレーズもよく目にしますし、それだけ映画と言う娯楽が生活に根付いているのだろうな。ビョンホンさんのことはまだ詳しくは知らないのですが、今作にもそう言った仕掛けがあったのではと思います。

閑話休題。ボスが留守の合間に愛人の監視を命じられた裏稼業の主人公。序盤は主人公の堅実で真面目な仕事振り、ボスからの信頼も厚い様子が描かれます。ところがあることをきっかけに、彼の人生はみるみるうちに怒涛の展開を見せていきます。

せつないのは主人公がボスの愛人に抱いた気持ちについて、自分でもよく解っていないところ。ひたすら仕事に励んでいた彼は、恋愛に関してとても純真だったのかもしれません。いや、恋をすると言うこと自体を知らなかったのかもしれない。ラストシーンにほろ苦さが残ります。

まーそれにしても、バイオレンス描写の容赦なさっぷり。血みどろですがな。この回男性客の姿は見掛けなかったのですが、まぁ、とかはぁ、と声を漏らしつつも、きゃあ残酷! 怖いわ! となってる観客は殆どいなかったように感じた……皆さんタフ。まあ十年前の作品で、今回が初見と言うひとも多くはないだろうし、それをわざわざ観に来るくらいなので免疫があるのでしょう。それに何より、そのバイオレンスシーンを演じるビョンホンさんが格好いいんですよ。流麗にキマるアクションは眼福ものですし、血まみれの姿には被虐美すら感じる程。部屋で眠れぬ夜を過ごす彼の瞳は仔犬のよう。スーツ姿でケーキを丁寧に食べたり、エスプレッソに砂糖を入れたりと、タイトルに目配せしつつ主役のチャームを見せるところにはアイドル映画の要素を感じました。アイドル映画と言うのは、優れたエンタテイメントでもありますよね。

さてジョンミンさんは狂犬キャラで非常に楽しく観ましたよっと。『殺し屋1』の垣原みたいな口裂け傷がチャームポイント☆ 卑怯っぷりも死にっぷりバカッぷりも堪能致しました。いやんバカン。

『母なる証明』から二日連続で観たチン・グはなかなか印象に残る役で出ていました。あの子あのあとどうなったんだろうなあ……。そしてダルスのおっちゃんことオ・ダルスがチョーおいしい役で出てた。チョーかわいかった。

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・輝国山人の韓国映画 甘い人生

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04月09日(木)
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