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by kai
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■pafe.GWC 2014『歌舞伎ラボ 実験上演』
pafe.GWC 2014『歌舞伎ラボ 実験上演』@学習院女子大学 やわらぎホール
受講してきましたよ〜。pafe.GWCとは『学習院女子大学 パフィーミングアーツフェスティバル(performing arts festival at Gakushuin Women's College) 2014』の愛称。今回で十周年だそうです。正門入口に学生さんたちが待っていて、次々に「ごきげんよう」と声を掛けてくれました。ホールに入場すると、既に前座の『聞かなくても損はしないけど、聞くと得をするかもしれない前座講義』が始まっておりました。「伝統芸能の歴史的名演を木ノ下裕一がマニアックにナビゲート」とのことで、美空ひばりとか義太夫の方(名前失念)の名演音源が聴けました。
さて開講。ちゃんとチャイムが鳴りました、久し振りに聴く音だ…なんだか背筋が伸びますよ。直前、同じ列に座って来たひとをふと見ると、新悟くんのご両親…そうです彌十郎さんと奥さまです。キエー緊張する(離れてはいたけど間に誰も座ってなかったので尚更)! 新悟くんの授業参観みたい(笑)。以下メモから起こしているのでそのままではありません、ご了承ください。明らかな間違い等あればご指摘ください。
皆さんラボらしく、白衣を羽織っての登場です(武谷さんは蝶ネクタイにスーツ、新悟くんは羽織袴の上に白衣。宣美の衣裳と同じ?)。
二部構成。まずは『歌舞伎ラボ』の活動方針と自己紹介。ラボは昭和八十九年に設立。今回の催しは学会研究シンポジウム、とのことでした。
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木ノ下裕一:所長・研究員
坂東新悟:研究員・歌舞伎研究部門室長
武谷公雄:研究員・現代演劇研究部門室長
関亜弓:理事長・進行
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武谷さんは早稲田大学の演劇サークルで土を食べたり裸おにごっこをしていたそうです。ははは、劇研をはじめとする早稲田の演劇サークルのイメージを裏切らない。新悟くんは歌舞伎界に送り込まれたスパイだそうです。何のスパイかはわからない。ふたりともあることないことしれっと言うな! 自己紹介の際デモとして、松谷さんが『麦秋』の原節子と子役、『北の国から』の五郎と純、『古畑任三郎』の田村正和、無声映画『雄呂血』の阪東妻三郎を模写実演。「田村さんとバンツマ、父子両方とも出来るんですね〜」と木之下さんがさりげなく解説。このときはゲラゲラ笑って観ていましたが、時間が経つにつれ松谷さんの「模写から役を作り上げる」技量をまざまざと思い知ることになります。
まずは学生からのアンケート回答をもとにディスカッション。「歌舞伎を観たことはある?」「観たひとは今迄に何回観てる?」「歌舞伎と聞いて連想することは?」「歌舞伎に対して思うことは?」の設問で、面白かったのは歌舞伎と聞いて連想することの三位が「海老蔵」だったこと。「六本木の件もありましたしねえ」と木之下さん、ギリギリなコメントをぶっこんできました(笑)。あかん面白い。しかし木之下さんのコメントは歌舞伎をはじめとする伝統芸能への愛が溢れまくっていて、こうしたツッコミも楽しく聞けてしまいます。
さてここから本格的な実演に入ります。歌舞伎と現代演劇の違いを4セクションに分け、武谷さんと新悟くんがそれぞれ演じてみせる。
1. 女形
新悟:歩き方、所作等女形の型を実演。流麗な動きにほおお…と言った声があちこちから。「内股にするため、膝に紙をはさんで歩くと言う稽古方法もあります」。お姫さまと町娘、老齢の女性が自分を指差す所作等、細かい型も見せてくれる。「お姫さまはおっとりしてる、町娘は元気がいい感じですね」。「じゃあ鬱っぽい町娘は? 鬱なお姫さまは? 気持ちは姫の町娘は?」と木之下さんがじゃんじゃんお題を出すと、ぽんぽん応じていく。これがちゃんと“そう見える”!
武谷:蜷川幸雄演出『王女メディア』、平幹二朗演じるメディアを模写。ちゃんと音楽もかかる。「男であることを隠さない女形なんですね」。
2. 身体
新悟:歌舞伎舞踊『鷺娘』、鷺足の型を披露。武谷「それ、鶴でも使えそう」。
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11月27日(木)
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