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by kai
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■『向日葵のころ 間に合うか?小林建樹、多分レコ発ライブ』
8月12日、エンピツのフォームメールからこの日のライヴについてメールをくださったhotmailの方。お返事を送りたいのですがエラーでメールが返ってきてしまいます。お手数ですがご連絡先を教えて頂ければ嬉しいです。宜しくお願い致します。

(8月20日追記)連絡頂けました!有難うございました!

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『向日葵のころ 間に合うか?小林建樹、多分レコ発ライブ』@Koenji HIGH

小林建樹、青山陽一、エガワヒロシのスリーマン。「巨人動く!」とエガワさんが仰ってましたが、小林さんのレコ発ライヴでもありました。タイトルがタイトルだったものでドキドキしていたのだが、先月中旬新譜『Emotion』が無事完成、予約開始と公式サイトからアナウンス。安心して会場へ向かった次第(笑)。

トップバッターエガワさんはギターデュオ編成。これ迄バンド編成で聴いてきた楽曲をアコースティックな演奏で初めて聴いたのですが、歌の切実さが際立ってすごかった。真顔で聴いてもうた。エガワさんてトークが面白いんだけど、なんて言うかそのトークもどこか切実さを感じるんですよね…照れ隠しにも思えるところがあって。今回もトークでは面白いことばっか言ってましたが、歌いはじめるとうあー、音楽に取り憑かれてるひとだなあと思ってしまった。以前エガワさん、小林さんのことを「僕は音楽なくても生きていけるけど彼は音楽がないと死んじゃうと思う」と言っていたけど、その言葉は自分にも当てはまるのではないのかなと思いましたよ。

それは続く青山さんも同様で、お話はゆる〜いんですよ。「チューニングしてると話出来なくなっちゃうんでご歓談ください」とか言っちゃって。そもそも数十分の持ち時間で変則チューニング(しかも一曲毎に変える)の選曲をするところが流石です。セッティングに集中しちゃってMCが留守になってしまう…ソロでエレキの弾き語りなので、自分が喋らないとシーンとしちゃう(笑)。しかし演奏が始まると場の空気がガラリと変わり、あっと言う間に観客を惹き付ける。

この「のんびりニコニコ聴く筈が、あまりにも演奏と歌が凄まじくて気付けば真顔で聴いている」と言うのは今回の出演者全員に共通することです。「音楽に取り憑かれてる」音楽家の姿。ご本人は至ってリラックスしているようにお見受けしますが、その狭間にギョッとするような凄まじい表情を見せ、観客がいることを忘れているのではとすら感じさせる振る舞いを見せる。機を織る鶴の姿を見てしまったかのような気分になる。そうするうちに、彼らにしか立ち上げることの出来ない世界が眼前に現れる。

さて小林さんです、ソロ。ステージにギターがセッティングされているのを見てわーいとなる。ギター聴くのすごい久し振りー! 先月のライヴはサモアリと被ってしまって行けず、後日ご本人がこの日はギターでやったと日記に書かれていたのでガーンとなっていたのでした。ピアノマンの印象が強い方ですが、このひとのギターホント独特で格好よいんですよね。そのギター弾き語りで間髪入れずの冒頭三曲。ぶっとばされる。このリズムのなまり! また違う次元に行っとる!

カッティングのストロークと、ギターのボディを叩いて鳴らす音から編み上がるリズムのなまりがすごいんです。音を鳴らしてない間のリズムもちゃんとそこにあるんですよ。なんか頭のおかしいこと書いてるな…説明が難しい……あのーなんて言えばいいんだ、演奏者の頭の中には複数のリズムが鳴っていて、アウトプットしているのはギター弾いてるコードのパートとボディを叩いて作るパートのふたつ分なんだけど、あといくつかのリズムが同時に流れているの。その発音されないリズムは間として現れるの。その間と実際に出ている音のリズムでなまり…グルーヴが生じるの。これいつ頃からだったか…ピアノでも顕著になってたんだけど、十本の指で和音と単音を駆使するピアノではそこ迄間はクッキリ表に出て来ない感じだった。パーカッシヴギターだと音数自体が少なくなるからその辺りがすごくクッキリした。


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08月08日(金)
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