ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『教室』
SNAC パフォーマンス・シリーズ 2014 vol.3『教室』@SNAC
昨年29qさんに「来たらいいのに」と言われていたのに行けなかったTACT/FESの『教室』が、「2014年・東京・清澄白河 SNAC」の『教室』、として再演。当日券は毎回出すそうですし、立ち見でも70分の上演時間なのでそんなにきつくはないと思います。気になってる方は諦めずに是非。
見たこと、を書く。そこから、自分がこの作品をどう観たか浮かび上がるだろうか。
深川資料館通り商店街を歩く。やがて人だかりが見えてくる。ああ、あそこがSNACかと思う。2010年、無人島プロダクションが高円寺からここに移転したと言うニュースは聴いていたが、実際行くのは初めてだ。『マームと誰かさん 飴屋法水さんとジプシー』は、チケットがとれなかった。
スペースは開放された状態。ドアや窓はない。普段は壁があるらしい。通り側にある舞台(と言っても段差等なく、小道具が置いてあるちいさなスペース)をコの字型に囲むように客席が設置されている。飴屋さんが通りに水をまいている。コロスケさんはやや緊張した面持ちで立ったり座ったり、友人?が来場すると表情が柔らかくなる。くるみちゃんはフロアにチョークで線を引いている。時折観客をぐるりと見渡す。スタッフにはチームサイコシスや、マームとジプシーのメンバーの顔。最後列中央の席に座ることが出来た。通りを眺める。商店街の通りが借景になっている。通りかかるひとが興味深そうに立ち止まったり、覗き込んだりしている。それは上演が始まってからも続く。お向かいのだんご屋さんのご主人らしき方は、随分長い間観ていらした。連日ご覧になっているのだろう。
通りに面した壁(入口の上)に時計がかかっている。なんとなく眺めて、上演中時間経過が見えるなあ、気になるだろうか、いや、開演すれば気にならなくなるだろうなどと思う。客席が埋まるなか、出演者やスタッフたちは黙々と準備をしている。開演の五分程前(時計を見ていた)、小道具の発泡スチロールで出来たブロックを積み重ね、その上に片足で乗っていた飴屋さんが、バランスを崩し転倒する。衝撃で時計が落ち、大きな音がする。蓋が外れて電池が散らばり、時計は停まってしまった。慌てる様子もなく立川さんがやってきて、時計の様子を見る。元の場所には戻さず、邪魔にならないところに置いていく。飴屋さんが上演中の諸注意についてアナウンス。エアコンは大きな音がしないよう弱めにします、上演時間は70分くらいなので我慢して頂ければ、冷たい飲み物も売っています。ちょっとしたスペースで、ビールとグレープフルーツサワーだったかな、が売られている。後方にある音響スペースに飴屋さんが移動する。舞台に出ていないときは飴屋さん、出ているときは恐らくCさんが音響オペレーター。蝉の声がずっと流れている。小駒さんのオペで照明の明度が一瞬変わるのを合図に開演。
戯曲のとおりに台詞が進む。ヘンな話だが、そのことに若干驚く。「蝉と同級生」のくるみちゃんは一学年進級しているが、そこに手は入れられていなかったように思う。八年地中にいる蝉もいるそうなので、別に問題はない。具体的に変わっていたのは、花瓶に挿された花がマーガレットからひまわりになっていたことくらいか。テキストを読んでいたときと印象が変わったのは、その静けさ。「!」が多用されていたので、もっとラウドなものを想像していた。実際飴屋さんがラウドに振る舞う場面はあるが、コロスケさんもくるみちゃんも、自分の部屋で話しているくらいのボリュームで台詞を口にする。激する飴屋さんと、それを静かに見ているコロスケさんとくるみちゃん。本来パフォーマーではないふたりをリードしカヴァーせねばと奮闘する飴屋さんと、対してしっかりと自分の足で立つコロスケさんとくるみちゃん、と言う光景にも見える。やがて台詞が台詞に聴こえなくなる。舞台にはひとつの家族がいる。
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07月27日(日)
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