ID:43818
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by kai
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■『鈴木勝秀(suzukatz.)-130115/セルロイドレストラン』
『鈴木勝秀(suzukatz.)-130115/セルロイドレストラン』@SARAVAH Tokyo
これ↑はどこからどこ迄がタイトルなの…まあ自分のはんこ捺すの好きな方ですから全部込みですかね……。
配役はヤマダマナブ=伊藤ヨタロウ、ヤマダキョーコ=千葉雅子、カワシマキヨシ=中村まこと、スガノシューイチ=永島克。テキストはこちらからダウンロード出来ます。
1996年に上演された舞台の出演者は6人(古田新太、渡辺真起子、佐藤誓、大石継太、藤本浩二、田中哲司)。この辺りどうするのかなーと思いつつ、テキストを読まずに観に行くことにしました。自分の記憶力の検証もしたく。スズカツさん史上随一男女がいちゃいちゃする作品だったと記憶しております…いやあ、愛に溢れた舞台だったよね……。で、出演者が発表された時点で自分はマナブ=まことさん、キョーコ=千葉さんと思い込んでいたのでちょー喜んだのだった。キャーラブいまことさんと千葉さんよ!どうしましょうこっちが照れちゃう!なんてなー。その後マナブはヨタロウさんだと判明しちょっとしょんぼりしたのだった。いやヨタロウさんが嫌な訳ではありません、昔の仕事をやろうぜ〜と誘うわるいともだち(笑)キヨシがヨタロウさんにピッタリ!と思ってた訳でもありません。そんなこんなでえーどうなるの?と大雪の翌日つるつる滑る坂を下ってサラヴァへ。
今回のリーディングは、出演者4人用に編集されていました。マナブとキョーコの経営するレストランに集い、常連客たちが呑みつつとりとめのない話をするシーンがまるっとなくなり、キヨシとシューイチのやりとりにまとめられていました。このシーン、舞台版ではセッション的に作っていった部分なのかも知れませんね。
スズカツさんご本人がコメントされている通り、意識的に“編集された演劇”として構成されているのは舞台版と同じ。ほぼ一場ではありますが、時間がジャンプし、突然会話の流れを分断する台詞が飛び出すので気が抜けません。何度か同じ台詞が時間を置いて語られますが、一度目と二度目ではその言葉のニュアンスが違って伝わる。登場人物の心情が明らかになるにつれ、意味を計りかねていた言葉にぱっと光が差し、見えてくるものがある。今回その“ジャンプ”のきっかけを照明が出しており、登場人物の過去が文字通りフラッシュバックしたかのような表現になっていました。フロア全体が白くなるくらいの強い光。
そしてリーディングの場合、基本的に出演者がその場を離れると言うことがあまりないので、場面転換後台詞を発していない人物が果たして実際そこにいるのか、と言う判断が必要になる。今回それがいい具合に機能していました。台詞を発して初めて「あ、このひとこの場に最初からいたんだ」と気付く人物が、黙っている間何をしていたかを終演後テキストで確認する面白さもありました。興味深かったのは千葉さんのみ「視線を合わせない」と言うルールから自由だった(ように見えた)こと。キョーコ=ミューズの立ち位置としても興味深かったです。
ラストシーンの印象がかなり違いました。銃声と言う効果音は、シューイチが店に入って来る、上着の内側に手を入れる(舞台版はここで暗転し、音楽が大きく流れる)と言う視覚から知る動作を一歩前に進めていた。上着の内側にあるのは銃なのだろう、と予想はしても、その後のシューイチの行動を見せずに舞台は終わるので、ひょっとしたら…と言うちいさな望みを持つことが出来る。銃声はその望みを無にする分、絶望感がより強く残る。音響オペはスズカツさん自ら務めておりました。今回席の右斜め後ろにあったスピーカーがすごく近く、他のスピーカーからの音を全く拾えなかったのですごい不思議なバランスで、音が妙にうねうねして聴こえたのが面白かった。
以下おぼえがきと言うか自分用メモ。話がどんどん逸れますので読んでくださる方がいたら、まあ、お気軽に。
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・あのいちゃいちゃはやはり古田力であった(笑)いやリーディングでスキンシップは出来ませんから了解してますから
・しかし言葉で交わされる誓いであったり、祈りであったり、呪いであったりはやはり強く恐ろしく、痛切なものだったなー
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01月15日(火)
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