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by kai
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■『港町純情オセロ』
『港町純情オセロ』@赤坂ACTシアター

じゅんさん華麗に復帰です、よかった!台詞の端々にも帰還を祝福するような含みがあって、青木さん粋なことする〜、有難うと言う感じ。シェイクスピアの『オセロー』ですから、序盤はオセローがデスデモーナと結ばれる迄の幸福な空気に溢れていて、楽しい滑り出し。そうそう、頭のおかしい青木って作家が…と言うくだりはこの日もありました>ぴーとさん

1930年代、関西架空都市でのヤクザ抗争に舞台を移し、オセローはブラジル人と日本人とのハーフと言う設定に置き換えています。これがうまいことハマッていた。オセローは黄色人種でも黒人でもなくどこに行っても差別され、愛情に飢えている。散々手を汚してこの地に辿り着いた。だからこそデスデモーナの無償の愛に有頂天になり、だからこそ自分が本当に愛されているのかと言う不安を拭いきれず、イアーゴーの浅い策略にいとも簡単に陥れられる。

そうそう、最後に捕らえられたイアーゴーが受ける罰はかなり残虐なもの。原作同様直接の描写はなく台詞だけで説明されるシーンだけど、ちょ、怖!それあり!?と思わせられるその罰はヤクザの世界ならあるある、とすんなり思わせられるところもよかった(ひぃ)。

興味深かったのは、イアーゴーの妻エミリアにあたる人物をふたりにしたこと。イアーゴーの妻とその弟(ゲイ)と言う設定になっていました。オセローと同様、愛に飢えていて、望む愛が成就することがないと言う諦めを抱えて、それでも愛することを止められない。居場所をずっと探している。このオセローとエミリアの弟の共通性を強調した分、エミリアの役割がちょっと薄くなった感じもしました。このバランスは難しいなー。

弟を演じた大東くん熱演でした。登場序盤、大東くんの台詞にキラキラポロロンな音響をシンクロさせていたスタッフワークもよかった。新感線のこういう細かい仕事だいすき(笑)。で、前半がオカマキャラならではのキャッキャしたキャラクターだったので、終盤の感情の爆発が活きましたねー。

『オセロー』と言えばイアーゴーが言葉を駆使しひとを操ると言う重要な(おいしい)役。哲司さん『浮標』に続き膨大な台詞量です。『浮標』を演じきったのだから台詞に関しては心配していなかったのですが、アクション、新感線ならではの明るい歌やダンスがどうなるかなーと思っていて…しかし役柄からして周囲から一歩退く人物だったのでそんなに違和感なかった。意外とショウ的なシーンにも馴染んでました。そうこのひと、NODA・MAPに出たときにもあれっと思ったけど、意外と身体動くんですよね…普段がほわーんとした雰囲気なので、実際ビシッとアクション決められるとビックリする(失礼)。劇場サイズに合わせてのことか?新感線を意識してか?焜eンションを維持しっぱなしだったようには思いました。

そ・し・て!じゅんさんですよ。いやもうこれ程「純情オセロ」って言葉が似合うキャラクターいねーだろー!それがじゅんさんズッパマリだろー!前述したとおり愛に飢え愛を疑い愛に対して純情そのもののオセロがもーせつなくてせつなくて。だいたいシェイクスピアの『オセロー』ですからして、結末がどうなるか知っているうえで観ているひとも多い訳ですよ。で、知ってるからこそつらいってのもある訳ですよ。観客は神の視点を与えられているけど、何も出来ないからな!見ることしかな!で、そんな見ることしか出来なくてジリジリしている観客の気持ちをガッシと受け止め悲しい人生を辿るオセロの一代記を見せつけてくれたじゅんさん天晴です。妻殺害迄の激情と自害する寸前の凪、死によって安息を得られるかのように妻の膝枕に顔を寄せるその緩急と言ったらもー、泣いちゃったじゃねーかー!

はー、じゅんさんが観客に愛される根拠が端々に見える舞台でした。これからも元気でいてね。身体をだいじにね。

石原さとみちゃんもかわいかった!舞台映えするねー、右近さんばりに声通る(笑)。伊礼さんは初見でしたが二枚目インテリなのにアホキャラでかっとばしてて面白かったです。哲司さんと並ぶとどちらも長身で絵になってました。


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05月07日(土)
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