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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■WILKO JOHNSON
WILKO JOHNSON@Shibuya CLUB QUATTRO
・wilkojohnson.org『A PERSONAL MESSAGE TO JAPAN』
3.11から数日後、ウィルコはこんなメッセージをくれた。そして、本当に来てくれた。8年振りの単独公演。
3.11以降の平日夜に渋谷に行ったのは初めて。翌日(12日土曜日)に行ってはいたけれど、帰り道暗かった記憶がない。これは動転して街の様子に気が回らなかったのではなく、その日観た『国民の映画』について考え乍ら歩いていたからだと思う。
駅から出ると、暗い!外国人観光客が「『ブレードランナー』の世界だ!」と記念撮影をする、駅前のきらびやかなヴィジョンが全部消えている。TVの天気予報の背景映像で見てはいたけど、実際出掛けてみると「くらっ!」て思うわ。センター街に入ると多少明るかったけど、ひと通りもちょっと少なくて歩きやすかった。呑み屋さんの呼び込みのひとが沢山いた。
しかしクアトロは満杯でした!見るひと見るひと高揚した表情、ワクワクした雰囲気に溢れてる。開演30分前から『ドクター・フィールグッド ―オイル・シティ・コンフィデンシャル―』のダイジェスト上映。フロア上手にスクリーンを張ってプロジェクターで映したんですが、暗転後なかなか始まらない。んん?どうやらサインが届かなかったようで、リモコンを持ったスタッフの方がフロアに降りてきてプロジェクターに向かいボタンを何度も押すと言う腰砕けの展開に(笑)。どこからか「家のTVと一緒じゃねえか〜」と声がとんで大ウケ。ようやく始まってみれば準備映像のカウントダウンから流れ出し、それにもウケる。途中から「8、7、6〜」と唱和が自然発生、本編が始まると拍手と言う妙な盛り上がり。
スクリーンのなかのウィルコは髪の毛があって(笑)、ビックリ顔が標準で、ヘンな顔で、ヘンな動きでステージからマシンガンギターを撃ちまくる。ヘン…ヘン過ぎる……それが突き抜けて格好いい。映画は観に行く予定なのでこまかい感想はそのときに。
ベースはイアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズからの盟友ノーマン・ワット・ロイ。ドラムは2009年から参加のディラン・ハウ。このひとスティーヴ・ハウの息子さんなんですねー、後になって知りました。このディラン、ウィルコやノーマンとは20くらい歳が違い、参加してまだ2年足らずのせいか?ふたりの阿吽の呼吸を掴みきれずところどころあわわってなってるようなところもありました。てかウィルコとノーマンのリズム感覚がすごく独特なんですわ…曲自体もリフ一発でぐいぐい進めるものなのに実はリズムやテンポが複雑だったりする。これは難しかろー。ウィルコと噛み合ったと思えばノーマンと離れ、ノーマンとガチっと合ったと思ったらウィルコがもう遠くに行っている、みたいな(苦笑)。しかしなんつうかそういうのもライヴの醍醐味で、聴いててなんだか嬉しくなってしまうのよ。終盤になるにつれだんだん合ってきたりするともうね、ああこのひとたち音で会話しているんだなあ、コミュニケーションをこうやってとっていくんだなあなんて思って。それぞれのソロもゴキゲンで、終始笑顔で観ていた。シンプルなトリオバンド。それぞれの音が素直に伝わり、音と音の間も意識出来るので立体的に聴こえる。それが身体に沁みわたる。
『オイル・シティ・コンフィデンシャル』の映像からの流れで観たウィルコは確かにおじいちゃんになっていた。ジャンプも減った。前回の単独公演(2003年)の翌年、奥さまのアイリーンを亡くした。「Paradise」で“I'll love you still Irene Irene”と唄った。でもあの愛嬌のある表情は変わらず、ギターの音はやはり最高に格好よく、リフの最初の一音が鳴ればもう全てがオーライとさえ思える。歌なんて前より上手くなってたような気もした(笑)。今のウィルコを観られたことがとても嬉しかった。
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04月07日(木)
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