ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『乾いた花』『30th Anniversary<おメトロ祭り>オーラス2010』
『乾いた花』@新文芸坐
『さらば、二枚目スター 池部良さん お別れ上映会』の中の一本。先日武満徹トリビュートで聴いた音楽が凄まじかった『乾いた花』が上映されると言う絶好のタイミング。これを映画館で観られる機会はなかなかないでしょう!
と言う訳で出掛けていくと激混み。平均年齢60歳↑かな…立ち見も出ていました。ロビーには献花台も用意されており、往年の池部さんファン、映画ファンが押し寄せた感じ。すごいー。早めに行ってよかった…。
かなり傷んだフィルムですと断りがあったのですが、それがまた1960年代のモノクロ映画を今観てる!とテンションあがる要素になったりして。いやしかし格好いい映画だった…池部さんも加賀まりこさんも格好よかった……。池部さんはすごいメイク濃かったんですが、モノクロ撮影のためそうしたのか、ご自分の演技プランのうちだったのか?この時40代半ばだったそうですが、役の年齢は30代だったそうなので。
あたりまえなのだが、自分が知っているその姿よりも皆さん若い。そして粋。加賀さんがもう!ちょー美しい!小悪魔!当時のファッション、ヘアメイクも堪能。佐々木功さんがチンピラの役で出ていたんだけどちょーかわいかった…ハーフの子みたい。このひとがその後宇宙戦艦ヤマトのうたを……。そして竹脇無我さんがワンシーンくらいのちょい役で出ていた。モノクロならではの陰影と、撮影アングルに凝った映像美も素晴らしかったー。
で、音!花札をカチカチと切る音からタップ音に移行しホーンが炸裂する。うわーこれかー!先日オーチャードで聴いたものは木板のタップボードでしたが(熊谷さんは基本木板の上で踊りますし)こちらは多分リノリウム。花札のトーンと合わせてあるのでしょうが、効果音と音楽の自然な融合であり乍らちょーアヴァンギャルド。ストーリーに並走し、要所要所で爆発を起こすその緊張感!いやあすごかった…大友さん有難う、すごいもの聴かせてもらいました。
そして驚いたのが、終盤の見せ場で「ディドとエネアス」のアリアが使われていたこと。これ、菊地さんがPTAでもやってるオペラです。知らなかったのでビックリした!こんなところでも繋がっていたのか。
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上映後に篠田正浩監督のトークショウ。進行も立てずおひとりで話されたので講演会のよう。どこ迄書いていいかな…(苦笑)政治的な話も盛り沢山。以下大丈夫そうなところを箇条書き。
・原作は石原慎太郎の短編。今石原はマンガにおけるセックス、過激な描写を取り締まろうなんてことしてますがね(笑)これ(『乾いた花』)なんか、当時映倫にひっかかってお蔵入りになっちゃったんだよ(8ヶ月干された後に公開され、ヒットしたそうです)。博打のシーンばっかりで、背徳的だとか言われて
・これは成人指定だろう、上映出来ないって言われた。そしたら石原が「篠田を叱る会」って題した試写をやろう、マスコミに見てもらおうと言い出して、上映会をやることになった。1963年12月12日。開始後数分もしないうちに記者がどんどん出て行く。なんだよ観てくれよとひとりを捕まえると、「小津安二郎監督が亡くなったそうなんです」……忘れもしない
・池部さんは舞台『敦煌』で失敗して休んでいたところだった。プロンプがついていたのに台詞につまって立ち往生してしまうことがあって、降板して落ち込んでいた。そこに私が『乾いた花』に出演してくれないかと交渉に出掛けて行った。池部さんは「皆俺のこと何て言ってるか知ってるか?」と言い、私は「はい、池部は三行以上の台詞は憶えられない、と」と答えた(笑)「そんな俺に何で出演依頼に来るんだ、ひやかしか?」「映画監督は出演者と心中するつもりでいつも撮っています。ダメな映画になるような俳優に出演を依頼するなんてことは有り得ません」
・そして池部さんは台本7ページ分の長回しを一発で決めた。台詞がふたことみことの加賀まりこの方が噛んじゃったんだよ。緊張していたんだね。しかし二回目にOKを出した
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12月27日(月)
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