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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ある日どこかで』『ねこ』
■『ある日どこかで』@TOHOシネマズ六本木 スクリーン5
『午前十時の映画祭 ―何度見てもすごい50本』での上映。スクリーンで観られる機会もそうそうないので出かけることにしました。行ってみれば何故か午後八時の回もありましたが(笑)午前十時に観るのがいいのじゃよ。以下ネタバレあります。
映画を観るのは初めて。原作では主人公の一人称で語られていた物語なので、読み方によっては脳腫瘍で余命いくばくもない主人公が見た一瞬の幻とも解釈出来るものでしたが、映画では(脚本も原作者のマシスンが手掛けている)主人公が病気であると言う設定はなく、タイムトラベルをはっきり現実に起こった――主人公が自分の力で現実のものにしたこととして描いていたので、ストーリーが一層強いものになっていた感じがしました。あと映像で観ると、あたりまえのことだけど登場人物が読み手の想像の中ではなく実際に動くものとして目の前に現れるので、そのギャップが面白く思える。ん、なんだ、それって自分の想像力が貧困ってことか(苦笑)。なんだろなあ、実体があるからなのかどうなのか、皆いいひとに見えてしまうんです。
具体的に言えば、テキストで読んでいると、主人公の脚本家リチャードの女優エリーズへの思いの強さに恐怖感を感じたり(ストーカーにもとれるもん…結構怖いよ……)、エリーズのマネジャー像が主人公からの目線なので、(僕の恋路を邪魔するやつとして)かなり変人・悪人として描かれていたように感じていたところが、映画で観ると、ひとめぼれとも言える勢いで猛烈にエリーズへ向かってしまうリチャードの行動にそんなに違和感を感じなかったり、マネジャーがエリーズに厳しいのは、女優としての彼女を大事にしているからだと思わせられる様子が窺えるので、リチャードとマネジャーがポーチで話し合うシーンにとても説得力を感じてしまうのです。
反面、観終わった後は、映画に描かれてないエリーズのその後――リチャードが消えてから何年も何十年も彼を待ち続けることになった彼女の心情がいちばん気になった。だってあんな幸せそーな瞬間に忽然とリチャードに消えられて、女優も辞めて隠遁して、その後彼を待ち続けて暮らすうちに、彼が口ずさんだ曲が新作として発表されたりするようなことがあって、そこできっと彼は未来から来たんだと気付くものの、自分はどんどん年老いて、やっと会えた時にはもう晩年で…ほげー胸が潰れる。で、そうやって待っている彼女がいることなどリチャードは知らない訳で、知った時にはもう遅いんだよー!て言う。なんかさ『ベンジャミン・バトン〜』でも思ったけど、おとこ目線の時間をテーマにしたお話はおんなには残酷だよねー!
そんな訳でひじょーに甘いのにひじょーに後味が…つらしま……いや、いい話ですけども。リチャードがエリーズに出会うきっかけになった肖像写真を撮った時のシーンはいいシーンだったなあ。そういう幸せな場面があるからこそ後がつらいんだけど。ホテルのおじーちゃんアーサーのこども時代がちょうかわいくて、あれもなんか救いにも思えたわ…ちっちゃいこどものかわいさはいろんなものをやわらかくするねえ。
キーとなる曲がマーラーではなくラフマニノフになっていて、その『パガニーニのラプソディー』が作品のロマンティストっぷりにぴったりで、とても効果的でした。あとホテルがミシガン州のグランドホテルになってた。
思えばスーパーマンでないクリストファー・リーヴは初めて観たかも知れない…目が綺麗だったなー。最後の椅子に座ってる時の瞳の色はギョッとする程綺麗だった。あれ、フィルムに着色したのかな?と思う程の鮮やかな碧さだった。
そういえばあの金時計はどこでどうなってああなったんだろう、リチャードが持ったままだったように思うけど、何故エリーズは時計を持っていたんだろう
『午前十時の映画祭』はこれからも名画がいっぱいかかるんでまた行きたい。『スティング』とか観たーい。ラストシーンの「!!!!!」を映画館で他のひとと共有したい!
■岩合光昭 写真展『ねこ』@日本橋三越本店 新館7階ギャラリー
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03月05日(金)
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