ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『印獣』
ねずみの三銃士『印獣 ―ああ言えば女優、こう言えば大女優』@PARCO劇場
はひーギリギリ入場、危なかった…。そもそも一週間前に@ぴあ覗いたらあって、慌てて入手したのだった。あんだけプレでも一般でもとれなかったのにどういうことだ、何の戻り?諦めてたひとはチェックしてみるといいですよ、友人なんか一般前売日に東京とれなかったから勢いで名古屋公演とって遠征ですよ…。
だいたい『鈍獣』もとれなくて観ていないのであった。DVDにもなってるし映画化もされたけど、どうも舞台を逃すとそのまま観ない性格なもので。と言う訳で前作と繋がっているモチーフや小ネタがあるかは判りません。
女優の業 VS 作家の業、どっちが深いか?
以前吉祥寺でクドカンを見掛けてギョッとしたことがある。あまりに異様な風体だったからだ。格好が変とか悪目立ちしていた訳ではないのだが、目だけがギラギラしている骸骨みたいだった。猫背でタワーレコードの袋を持ってゆらゆら歩いていた。即座に本人とは判らなかった程だった。
バラエティの構成もやるし、コントも書くし、常にギャグはあるしで時々忘れがちだが、このひとは『熊沢パンキース』の内藤のように、あっちとこっちの境界線に立っていて、あっち側に落っこちる。落っこちたそこで書く。そのバランス感覚がすごい。今回はその「あっち側」のクドカンが全開です。そしてそれも、「あの3人がこういう芝居をやりたいと言ってるから書いた」んだろう。そういうところがプロフェッショナルなんだろうな。以下ネタバレあります、未見の方はご注意を。
三田佳子を迎える、女優の自叙伝を書くために僻地に招かれた3人の作家の物語、と言う事前に判っていた要素だけでもこりゃヤバいと言う感じはしたし、観客はそういうエゲツないことへの欲求がとても高いので、ヌルいものなんかやる訳がないと期待している。とは言うものの、よくこんなもん書いたなあと思い、よくこんなもん演じたなあと思い、そしてよくこんなもん舞台にしっかり上げる演出をしたなあと思った。虚構だと判っていても、現実に起こったことをやはり連想してしまうし、現実がもっとエゲツないことであろうとも、目の前で起こる虚構を一瞬でも信じることが出来、少なからず心に穏やかでない波が立つ。虚構が現実を凌駕することは間違いなくあるのだ。それは事実と真実が違うことと同じだ。
これを観て、それでも「こっち側」からなんだかんだ言える程こちらも潔癖な人生を歩んでいる訳ではない。だからと言って、「こっち側」にいられることが幸せだとも思わない。「こっち側」でいられるひとたちについてもチクリと書いていたところも巧かったな。ちょっとした顕示欲、ちょっとした誇張、ちょっとした悪意。それがどれだけの破壊力を持つか。
三田さんと、生瀬古田池田の3人はもう鉄板ですが(て最初から思われてるからハードル高いよね…)、あとのふたり、編集者・岡田義徳さんと女優のマネジャー・上地春奈さんもとてもよかったです。岡田くんて調子のいいテンパッた人物やらせるとハマるよねー(笑)。上地さんは初見でしたがお笑い畑の方なんですね。芝居にお笑いのひとは強いと言う定説はありますが、それにしてもまあよく見付けてきたなと言う感じ。成志の九州弁は聴き取れたけどこのひとの沖縄弁は聴き取れなかったわ…。彼女のキャラクターが強烈だったが故、マネジャーが最後どうなったかが描かれていなかったのがちょっと残念かな。あの女優についていたマネジャーな訳ですから、何かしらの背景があると思ってしまうし。
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10月29日(木)
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