ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『異人たちとの夏』2回目
『異人たちとの夏』@シアタークリエ
おぼえがき。ガッツリネタバレします。
・初日と違っていたところが一箇所。桂と原田、間宮が鉢合わせする前に、初日は間宮が原田に「形だけでも、お守りみたいなもんだから」と数珠を渡すシーンがあったのだが、そこがまるっとカットされていた
・心当たりとしては、意外にもその緊迫したシーンで初日はドッと笑いが起こったんですね。異形のものを前にして人間がやることとしては至極自然な行為ではあるものの、その必死さが滑稽に見えてしまう部分はあったかも知れません。なのでまあ笑いが起こっても不思議ではないのですが
・敢えてそこをカットしたと言うことは、演出側がこのシーンは笑うところではない、と言う姿勢を示したと言うことですね
・父子のはずまない会話(ここ、巧いなあ)でおかーさんが帰って来る寸前のおとーさんのひとことは日替わりのようです(笑)
・本日は観客のレスポンスもよかった。二幕開けてすぐ、甲本さんのスピードボールを見事キャッチした椎名さんに「おお〜」と声がとんだり
・すきやき屋さんのシーンで、明るく振る舞うおとーさんのひとことひとことに悲しくもからっとした笑いが起こったのにも救われる思いがした
・おとーさんが30年前の感覚で、仲居さんへのチップを100円って言うんだけど、それを訂正されて「1,000円?酷い時代に生きてんなあおまえ」って原田に言うシーンには笑いつつもちょっとハッとさせられた
・そして今回の舞台で何よりも嬉しかったことは、桂の造形が映画とも原作とも違う独特のものになっていたこと
・原作では桂は壮絶な死に方をする。小さなチーズナイフで火傷跡を何度も何度も突いて死ぬ。さほど頑丈な道具でもない、小さな華奢なナイフでそれをやりきったと言うことは、それだけ桂が死ぬことに対して切実だったのだと言う描写がある
・映画もそれは同様で、しかも映画はあれ程桂が見せたがらなかった胸の傷を映像化してしまっていた
・大好きな映画ではあるものの、あの傷を見せたところだけは個人的にはすごい疑問だったんですよね…
・それだけ死にたかったんだと納得させるには効果的だったのかも知れないけど
・この舞台での桂は、傷を見せないまま消えることが出来る。どうやって死んだかも説明されない。そして彼女が死ぬことを後悔しているのが伝わるし、原田と過ごしている時うっかり死んだことを忘れていることが伝わる。そして道連れにしようとしていた原田を自分の意志で手放し、恨み辛みを残さず去って行く
・そういう描写にしてくれたことは、感謝したくなる程だった。舞台を観ていて「有難う」と言う気持ちにさせられることなんてそうそうない
・まあそんで思うことは、ここ数年のスズカツさんははっきり死んだらあかんと言うようになったなあと言うことですよ…
・ザズゥシアターを観続けてきたひとからすればこれってすごいことですよ、ビックリするよ!(笑)っつう話を初日もしたんだが
・いいことだと思いますよ、ええ
・願いがかなって「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」とおまじないを言う桂は本当にかわいらしかった
・そう、重要なポイントとなる曲は「スカボロー・フェア」です。サイモン&ガーファンクルが丁度来日中ですね。今日は東京公演だった筈
・S&Gのヴァージョンについても言及されますが、元のイギリス民謡の歌詞もだいじなエッセンスになります。天衣無縫について等
・その他印象に残ったところ
・すきやき屋さんに出かけようと原田が靴を履いた後、隣に並んでいるおかーさんの下駄をふっと見るところ
・おとーさんとおかーさんが帰る時、おとーさんが力強く手を差し出しておかーさんの手を握って去って行くところ
・なんかねーここを見た時、あーあっちでもおとーさんはおかーさんと離れないんだなあと思ってどばーと泣いたー
・まあ今日は幕開けのおとーさんがよおって言った時点でもう泣いたんだが(よわっている)
・他にもあーふたりは生きてたらおおきくなった原田とビール呑んだりすいか食べたり花札したりしたかったんだな、それが叶ってよかったなあと思った。それは原田もそうだったろう
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07月11日(土)
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