ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■ハシゴですよ
『ファニーゲーム U.S.A.』@シネマライズ BF
前日観てきたと言うシス子マスターに「この手の映画で自分がどーしてもダメだってポイントはこれこれここなんですが、その要素はありましたか」と訊いたら「ない」とのことだったので観に行きましたよ。一年の最後に観る映画としてはなんとも罰ゲームな趣です。清々しく年を終えるんじゃなかったのか。以下ネタバレありです、未見の方はご注意を。
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うーむ、自分の都合でもあるんですがー、ここんとこ事件サイトとかそういうのばっか読んで想像力がぱんぱんになってる状態で観たので、そんなに神経を逆撫でされることもなく…エンタテイメントとして適度な出来あがりだなあとそういうところにばかり注意が行ってしまいました…。あのね、これ別に検索しなくてもいいですよ、いいですけど、あのー、数年前起こった北九州一家全滅事件みたいなストーリーなのかなと思って観たんですよね…そしたらそうでもなく。いや、大体そう思って観る自分がどうかしている。なので、まあ「いやん二度と観たくない!最低!」とも思わないし、だからと言って「すっげー最高!それを最高と思ってる俺、クズで最低!そして自分のこと最低と思える自分がちょっと好き!」とも思わない…本当に“適度”、に感じられてしまいました。スターさんが出てるから擬似スナッフフィルム的ないかがわしさもないですし。まあここらへんは、この作品に対する自分の期待の方向が間違ってたとしか言えません…。いや別にスナッフフィルムが観たい訳ではない(ああ言えば言う程言い訳に聞こえる)。
これもたまたまだけど、いやたまたまでもないのか?芋づるなのか?桐野夏生作品を固め読みしてる最中で、なんでこのひとはこういう人間の悪意とか毒々しいことばかり書くのかしらんと思っていたんですが、桐野さん本人の発言に「現実のむごさを虚構で凌駕したい」と言うものがあって、あ、成程と思ったんです。
虚構よりも現実の方がむごいと言うことは肌で感じている。でも、虚構は現実を凌駕出来ると信じたい部分もある。想像力は無限にある、自由なものだ、それに現実が追いついてたまるかと信じたい。ひとの頭の中はどこ迄も自由だし、制限などない。現実を凌駕する虚構を観たい。
小説では登場人物の心理や悪意を文章で表現する。映画はそれを映像で見せていくものですが、この作品にはそれが稀薄です。別に犯行動機とか、そういうのが知りたい訳じゃないんだよな…ああこういうひとがいたのね、でいいんです。それを非難も肯定もしなくていいんです。でも、彼らの行動に得体の知れない怖さがあまり感じられない。徹底してスタイリッシュに撮ってあるからそう感じるのかなあ。そして決定的なシーンは全て丁寧に隠されています。見せないことでこちらの想像力を喚起させる狙いなのかも知れませんが、どうもそれが逃げに感じられてしまうのです。だって、想像力って無限だもん。あれ、そういう意味では観客を信用しているのかな。その割に三箇所程、第三者(=観客)の目線を意識していますよ、と言う演出がわざわざ入る。これがあざとく感じられてしまう。希望の種も分かりやすく撒くんだけど、これがあからさまにあーこれ絶対全部芽が摘み取られるわ、と予想がついてしまうので、がっかりもしないと言うか…。
ショッキングなシーンもそれ程ないし…あれだ、ショッキングと言えば、それこそこの映画のテーマ曲になっている(私信:調べたよ!)Naked City(!そうだったのかー!!!)の「Bonehead」PVの方が余程ショッキングだ。YouTubeにあります。いや、観なくていいです。ただ、このPVも“現実”を撮ったものなんですよね。やはり虚構は現実には勝てないのか。それはちょっと悔しい。
それにしてもヴォーカル、アイちゃん@ボアだったのね…聴いた時『松ヶ根乱射事件』のエンドテーマを思い出すなあ…と思ったんだけど、ビンゴだ(笑)
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12月29日(月)
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