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by kai
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■『お気に召すまま』+α
『お気に召すまま』@彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
ど〜してもこの日しか行けなかった、いきなり千秋楽。キャスト全員が男優と言うことでも話題になった舞台です。以下ネタバレしてます、そして長いです。
まずあの森を作り上げた中越さんの美術、原田さんの照明が素晴らしかった!ニナガワ組のスタッフワークは、天井の高さと奥行きを自在に使っていていつも面白い。所謂八百屋舞台だったので、役者さんたちは大変だっただろうなあ。
『お気に召すまま』自体が初見で、この際だからと戯曲も読まずまっさらな状態で観たのですが、台詞のひとつひとつが美しいこと!喜劇でこんなに泣くとは思わなかったよ〜。「これは追放ではなく、自由への出発なのです」とか「こんな世の中でなくなったら、あなたとは親しくさせてもらいたい」とか(記憶で書いているので正確ではありません)。そういうのにいちいちジーンときました。一幕目終盤の、ジェイクイズの長台詞も良かったな。人間は皆役者、人生は七幕の芝居。
で、しみじみ思ったのですが、やはりこういう台詞はきちんと“聞きとれる”ことが大事だなあと…正直成宮くんの台詞まわしは厳しかったです。滑舌の悪さに加えて、声自体が嗄れ気味で勿体なかったな。でもこういうのは訓練次第で改善されるものだと思う。ロザリンドとしての所作は非常に美しかったので、これからいろんな舞台をやって経験を積んで、またこの役に挑戦してほしいなと思った。台詞が明瞭、なおかつ美貌で(「この美貌では盗賊に襲われる」みたいな台詞がある。しかもそれを自分で言う(笑))、所作が美しく、それでいて恋する少女の初々しさがあり、女形としての色気をも表現する。これってすごく難しいことだと思うけど、成宮くんにはきっと出来るよ!(とプレッシャーをかけてみる)
小栗くんはとても舞台映えする。このひと写真うつり悪いよ〜、実物は本当に格好いいです。スタイルいい!レスリングの試合着もセクシーで良かったし(骨格も肌も綺麗!)、婚礼での盛装もとても映えていた。複雑な事情で家を出ることになるけれど、基本的にひとを信じるいいコで、すくすく育った感じのオーランドー。空腹で倒れてしまったアダムの為に強盗を働こうとするが、森の住人(前公爵)に優しい言葉をかけられ素直に涙するシーンがよかった。ひとに尽くすコだよオーランドーは!なんていいコだ!(泣)アクションがドンくさいのはご愛嬌、屈折感もあるけれど、悩んでいる姿すら清々しい若者でした。
この若手ふたりを、しっかり周りの役者さんが支えている。ニナガワカンパニー(*)の面々も、場をきっちり締める。ル・ボー役の清家さんとアダム役の岡田さん良かったなあ。そしてニナカンと言えば!大石さんが良かった〜(涙)またいい役なんだシルヴィアスが!ああ恋ってひたむきなものなのね!見返りを求めない愛を贈り続けるのね!いやもう久々にまっすぐなナイーヴな一生懸命な役柄の大石さんを観られたのは嬉しかった〜。
あとあれだな、大石さんと高橋くんを同じ舞台で観られる日がまた来るなんてなあ…と違う意味でもしみじみしましたわ…。
で、その高橋くんは“鬱ぎ屋”ジェイクイズ役。諦念だらけの世捨て人を自認し、黒一色の衣裳も喪服のよう。その反面、生きることに喜びを感じている風にも見える。最後の門出は『桜の園』のトロフィーモフを思い出した。無知故に前向きで、希望に溢れているトロフィーモフとジェイクイズでは全くタイプが違う役柄の筈なのに、不思議なものです。興味を惹かれる魅力的な人物像。良かった!あと発声が変わった?すごく聞きとりやすい!過去こんなにこのひとの台詞が聞きとれたことはなかった!(苦笑)その分輝くような言葉のひとつひとつがとても沁みました。前述の長台詞はも〜ホント心に響いた。このひとの声で、今回の発声でこの台詞を聞けたのは本当に良かった。
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08月22日(日)
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