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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ファウスト ―ワルプルギスの音楽劇』
『ファウスト ―ワルプルギスの音楽劇』@世田谷パブリックシアター
「時よ止まれ、お前は美しい」。
この台詞でも有名なゲーテの『ファウスト』。ノーカット完全版で上演すると10時間↑になる超大作です。これを音楽劇として3時間で上演、構成も結構いじってあるそうです。原作は読んでおりません(アフタートークで、脚本の能祖さんが客席に挙手を求めたら、読破しているひとは「8人(笑)」でした)ので比較対象もなし。以下ネタバレありです。
いや〜何がすごかったって、篠原ともえちゃん!噂は伝わってきていたのですがホントにすごかった。狂信的な母親に育てられ、ファウストに愛されたばかりに転落の人生を辿る純真無垢なマルガレーテ。母と兄をファウストに殺され、彼の子供を身ごもり、生まれた子供を捨て、嬰児殺しに問われ、気が狂い、処刑される。1幕でここ迄やるんです。濃いよ!特に牢獄での狂乱っぷりがすごくって…怖くて鳥肌が立つって経験をしましたよ…。これを堕落したからだとか誘惑に負けたからだとか責められるかいな。そんなことじゃないよ、マルガレーテ、あなたは何も悪くないよおおお!とすっかり彼女に肩入れしてしまったので、このシーンではほんっと「ファウストのばかったれがあ!」とメラメラしながら観てましたよ。あんたのせいだあああ!とかって。それくらいかわいそーだったんだよ!
そしてファウストと結ばれるシーンのエロいこと!ちゃんとエロいところをエロく見せられてる。ビックリしました、かなり持ってかれた。『月光のつゝしみ』の時、女らしくなったなあ…と思ってはいたのですがこんなに化けるとは…。白井さんの抜擢も納得でした。後述しますが照明が独特で、このシーンの明かりもすごく良くて。篠原さんの白くて綺麗な肌(特に脚!)が暗闇に浮かび上がる妖艶さと言ったら!顔に明かりが殆ど当たらないんです。マルガレーテの羞恥心と、それでもファウストと結ばれたい願いがないまぜになっている様子がにじみ出て、それがまたエロい。これはよかったー。
いやあ、ホント素晴らしかった…いつか『ハムレット』のオフィーリアを演じてくれたらなあ…なんて思ってしまった。歌も流石でした。声もかわいいしなあ。
と、マルガレーテを絶賛しておりますが、他のひとはどうだったかと言うと。
筒井道隆くんの存在感は素敵でしたが、歌は唄わない方がよかったかも…テクニック的にかなり厳しかったです。音程がよれる、揺れる。石井一孝さんと一緒に唄うところは差が際立ってしまっていて、ちょっと気の毒でした。元の声は好きなんですけどね…。あと佇まいや雰囲気はいいんだけど、単純に立ち姿が美しくなかった(=猫背が目立つ)のが残念。まあこれを「いきなり若返ったからだよ!」って解釈してもいいんだけど…うーん、地のような気がします(苦笑)
キャラクター的には、ファウストはかなりスットコドッコイ(笑・いやホントに)で、それをメフィストがかいがいしく面倒見る図になるんですが、石井さんのメフィストは白井さん言うところの「この話はメフィストがファウストに惚れていく展開も軸になる」にぴったり。かなりお茶目さんでした。やることなすことお茶目すぎる!問題と答えは合ってるんだけど式が間違ってる!ああ言うふうにしか愛情表現が出来ないのね…悪魔だから仕方がないのか(笑)魅力的な悪魔さんでしたよ。自分の蹴り飛ばした椅子を自分で片付けたり、整頓好きでもありました(笑)
あ、あと河野洋一郎さん!あのガラッパチ(褒めてます。大好きなのよ!)が天使の役て!天使て!天使!天使!天使って!!!2階席最後列だったから最初どこにいるか判らなくて、休憩時間にパンフ読んでもう〜ビックリしたビックリした。あのひからびたねこ(私が言ったんじゃないですよ…『青木さん家の奥さん』で言われてたんですよ…)が天使!でも意外にしっくりきてまして(失礼)白い天使の衣裳も似合ってる!新境地だわ〜嬉しかったです。ちなみにあのしゃがれ声はもともとなんですよ…喉鍛えてなくて、嗄らしたって訳じゃないんですよ…ああいう声なんです。わかってやって…(笑泣)
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03月12日(金)
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