ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ストレンジ・デイズ』
思えば公開当時「これは面白そうだ!」と思って観逃し、「じゃあせめて2000年になる前に観よう!」と思ってそれも逃し。ポスターやビデオパッケージ、サントラジャケットでさんざん見ていた主人公の男性の顔。あれがレイフ・ファインズさんだったとはねえ…。

と言うわけでやっと観たんですが、これ今観ても充分イケますわ。まあリアルタイムで観ていれば、やがて訪れる2000年への緊張感&祝祭感もあって、もっとワクワクしたかも知れないけどね。それにしてもこれが1995年(日本では1996年)に公開されていたかと思うと結構驚きです。1999年12月31日のL.A.って(いや世界のいたるところが)ホントにこんな感じだったもんね。

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1999年12月30日から物語は始まります。ファインズ演じるレニー・ネロは、他人の体験を体感出来る、SQUIDと呼ばれるソフトディスクの売人。脳に直接送信するので、視覚だけでない、五感全てでそれを感じられる訳です。当然ヤバいブツですな。違法です。レニーは元警官なんだけど今はそういうヤバい仕事をやって暮らしています。で、暇があると昔の恋人フェイス(ジュリエット・ルイス)との思い出ディスクを装着してにへにへしてたりするダメっこちゃん。中毒性もあるSQUIDに反感を持つ親友メイス(アンジェラ・バセット)にはことあるごとに怒られるんだけど、へらへらしてて今の生活を変える様子もない。

メイスはセキュリティのプロフェッショナル。別れた夫は刑務所に送られており、女手ひとつで息子を養っている、とてもしっかりした女性。そんな彼女がなんでこんなダメっこレニーに構っているのか。最初は「こいつホンットダメ!見捨ててしまえメイス!なんでこんな男に構ってんの?」と思ってたんですが(笑・だってメイスの仕事の邪魔するんだもん!)メイスの夫が事件を起こして逮捕された時に、レニーが彼女の子供に優しく接してくれたのが縁だったんですな。そんないいとこもある訳さレニーには!そしてメイスは実はレニーに惚れてる訳さ!女心は複雑なのよ。いやいやレニーが甘え上手な罪な男なのよ。

閑話休題。そのうちレニーはある殺人事件に巻き込まれ、それにフェイスも関わっていると知った彼は彼女を救う為に行動を開始することに。犯人は誰なのか?フェイスは無事か?レニーは、メイスはどうなる?2000年へのカウントダウンが迫るL.A.で、何が起こる?

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1999-2000年の描写をこと細かに見せようとしている為か(あんだけいい画が撮れたらそら沢山使いたくもなろう…)、疾走感のある派手な風景とは裏腹に話がのろのろ進みます。1時間半過ぎてから、ためにためた話がごそっと動く。しかし犯人こいつだーってすぐわかるんですがね(苦笑)て言うか、あんな言動させればすぐ判るって!その髪型も気になるって!(序盤に髪についての伏線があるしね)

なので謎解きのスリルはあんまり…そしていろんな要素がぎゅうぎゅうに詰まりすぎで、その描写が冗長さを誘っている感もあるんですが、それでも見せる力は大きいです。白人警官が黒人に暴力を振るった“ロドニー・キング事件”に端を発した、1992年のL.A.暴動を思い出しました。そこらへんから怒涛のラストになだれ込む勢いは圧巻。最後のレニーとメイスが雑踏に紛れていくシーンは素晴らしかった!

キャスリン・ビグロー監督は豪腕な画作りを見せ、アクションものに定評があるひとだそうですが、繊細な部分も垣間みせてくれます。目を綺麗に撮るんですよ。ファインズのブルーアイズは勿論、ルイスの瞳もクリア。犯人が録ったSQUIDのデータが、色覚異常のものであるってのもポイントだったのかな。光と影をきっかり作って、その光が反射する瞳を非常に美しく撮っています。

いや〜それにしてもバセットの格好いいこと!男前!もうすっごい素敵!ファインズさんを頼みます!とか心の中で叫んでましたよ(役と本人を混同してます)

本編のライヴ・シーンにちょこっと出ているSKUNK ANANSIEは本物?気になるわー。てなくらいライヴやクラブのシーンもいい感じに撮られています。エンディング・テーマのPETER GABRIEL & DEEP FOREST「WHILE THE EARTH SLEEPS」がすっごいいいわー。サントラほしい。まだあるかな。


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05月10日(土)
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