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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『刑務所の中』『SLAPSTICKS』
ハシゴデー。2本の間にお茶してる頃からみるみる悪寒が…風邪ひいたか、やばいぞー。
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『刑務所の中』@シネクイント
上映が始まってから結構経っているので、観てきたひとから散々話を聞かされていたにも関わらず面白かった。つうか、おまいらダメ過ぎる!(笑)
サバゲー好きが高じて銃刀法違反で懲役刑になったハナワと、同室になった4匹の刑務所での生活。これが意外にも楽しそう。ご飯は3食きちんと出るし、昼寝も出来るし、TVも見られるし、SMスナイパーも読める。懲罰房に入れられたら他の囚人と隔離されるので、お風呂もひとりで入れて「一番風呂で温泉みた〜い」、袋貼りの仕事にも精が出る。年末で刑期を終える囚人は出るのを嫌がる。だって出所しても年末じゃ職がないし、お正月はここの食事豪華なんだもん。体重増えちゃうくらいなんだもん。殺人で入っている囚人は「ひと殺して7年くらいならなあ、いいんじゃないの〜」。
誰も反省しとらんやんけ!ハナワと同房のひとらなんて、出所したら皆でお弁当持って、大麻が自生してるところに行こうなんて言ってるよ!ピクニック気分ですよ!
一週間くらいだったら入ってみたい…うっかり思ってしまいます。でも名古屋や京都拘置所の事件もあったし、やっぱ怖いとこに入ったら怖そう。いや、それ以前に入っちゃいかんって。
役者さんが皆達者でおかしいのなんの。山崎努さんのナレーションもよかったなー。「ベトナムみたい…」「いちばんの思い出になりそうな気がする…」終始うっとり気味です。小ネタのディテールもいちいち細かく丁寧で、それがまたおかしいんだよー。
それにしても出てくる食事がおいしそうで…特にお菓子類。観ているうちにどんどんお腹が空く。特にほうかさんのナレーションでお正月のメニューが次々出てくるシークエンスには客席からじわじわと笑い声が…。終映後パンフだけを買うつもりで物販コーナーへ行ったら、本編に出て来たお菓子が売っててさ!思わず買ってしまったよ!思うツボ(笑)
のどかなクラシックのサウンドトラックがズッパマッてます。コンポステラの曲もあって驚いた。
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『SLAPSTICKS』@PARCO劇場
初演を観ていなかったので、序盤の笑いの少なさにちょっと戸惑う。これは、KERAさんのサイレントコメディーへのオマージュだ。切り替えたらすっと入り込めた。普段のナイロンの笑いを求めてきたひとには物足りなかったかも知れないが、いい作品だった。
最近『この映画がすごい!』でも紹介されていた、実在したサイレントコメディアン、ファッティーことロスコー・アーバックル。チャップリン、キートン、ロイドの3大喜劇王を脇に回したほどのスターだった彼は、不幸な事件で映画界を追われることになる。この史実をベースに、彼のファンで助監督になったビリーと、その18年後に彼の映画をリバイバル上映しようと奔走するビリー。この2つの物語が交錯する構成。
「皆に笑ってもらえるならどんなことだってする」「どんなことだってするが、映画に出られなくなるようなことは決してしない」。観客を笑わせるために老人を殴り飛ばせる?笑わせるためにベッドごと川に流されてもいい?首の骨を折っても構わない?仲間の亡骸を使っても笑いをとる?文字通りコメディに命を懸けているひとたちの前に「やさしすぎる」ビリーは映画の道を捨てる。
正直これを言うのは反則だ。舞台裏を見せてはコメディは笑えないものになってしまう。歯が折れてもゲネプロを止めなかった(ゲネプロですら、だ)小須田康人さんと鴻上さん、『笑の大学』を書いた三谷さん、高所恐怖症なのに笑われるためならと、冷や汗を流し乍ら毎日ワイヤーに吊られた松尾スズキさん。自分から自慢げに言うひとは誰もいない。当然のことなのだ。どこ迄ショー・マスト・ゴー・オンでいられるか?そこ迄許容して観客は笑うべきなのか、そんなことお構いなしか?むしろお構いなしの方が作り手としては嬉しいのだ。大丈夫かなんて心配されるのは、コメディアン・コメディエンヌからすれば屈辱なのだ。
すごく悲しい、でもおかしい。つらい、でも面白い。
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02月15日(土)
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