ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■L遵。-PPISCH『CLUB CITTA' 35th Anniversary レピッシュ〜動〜』
ピースは欠けていき、バランスも危うい。かつての姿ではない。それでもこのバンドは生きている。「柘榴」に涙し、「Tears」のエピソードに笑う。「歌詞書くとき、現ちゃんに曲渡されて『熊本の歌にするなよ』っていわれたんだけど最後に『あんたがたどこさ』って(入れちゃった)」「『Tears』は最初女性ヴォーカルに提供する話があったんだけど、俺にしか唄えん歌詞を書いたった」。これ私初耳だったと思う……有名な話なのかな。このマグミの「現ちゃんの楽曲は渡さん、俺がいちばん唄える」というような発言は以前からある。頑固さは変わらない。そのことをうれしく思う。

しっかしその、今月還暦になる頑固な男がチッタにタッチ☆やると迄は予想してなかった。「LOVE SONGS」恒例、ステージ〜フロア最後方を往復するクラウドサーフ。イントロドンでトリハダ立ちましたよ、あの蒸し暑いフロアにい乍ら。いやでもまさか、いくらなんでもと思っているうちにマグミがいそいそと服を脱ぎはじめ、体型の変わらなさに感心し、いやそれでも…と思ってる間に飛び込んでしまった。待ってましたと腕まくり(比喩)のひと、えっやんの!? と大慌てのひとが、マグミをサポートするため走っていく。落ち着いて(心配そうにも見えたけど)フロアに目をやるtatsu、復路で「がんばれー!!!」と連呼しギターを弾き続ける恭一。あそこで泣くとは思わんかったと毎回いってる気もするが、やっぱり泣いた。やるといったらボロボロになってもやるんだな。感動的な光景ではあるが、いつ迄これがやれるんだろうと思いもする。かつて「この身体が使えるかどうかなんだ」といったマグミ。やっている限りは観ていきたい。

「25周年からのベストメンバー」、奥野さんには感謝ばかり。当時も思ったけどホント有難うだよ…Saxも吹けるようになってさ……先日話題になってたインタヴュー(後述)によると、もともと全くの鍵盤未経験者だったのに弾けますつってキャリアが始まったそうなのでSaxも吹けますいうたら吹けるんだな。普通は吹けない。西の子で、寅キチで、キャラクターもどっかおかしくて(失礼)、この気難しいバンドにするりと馴染んで。彼がやってきたとき、マグミは「思ったよりすごい風を持ってきた」といった。「ラルゴ」じゃないけど、10ルピー払って待っていた風がきたんだ。あるいは「Second Wind」か。これからも宜しくね。

件の心霊現象もとい上田現象は後日配信のアーカイヴで観ました。上田が映ってそうでちょっと怖かったけど。ホントのところ全然怖くないけど、全然映ってていいけど。『パンドラの鐘』じゃないけど、「化けて出てこい」よ。奥野さんと共演してみたくない? てか配信でチッタにタッチ観られるのすごいいいですね、フロアにいてはこのアングルでは観られない訳で。そしてこのとき、フロアを泳ぐマグミを見つめる恭一の優しい笑顔が胸に迫った。こんな表情をしていたのか……。この日マグミは恭一のことを「幼なじみ」といった。

終わってみれば充実、だけでなく、やっぱりマグミのいう通り「何だコイツら」と畏怖さえ感じる内容。結果だけを見せる、これがレピッシュというバンド。来年はツアーがあるそうです。やったね、待ってる。

09月15日(金)
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