ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■直枝政広×高橋徹也
前夜、twitterのTLに維新派・松本雄吉の訃報が流れてくる。公式に発表される迄拡散しない方がよいだろう(信じたくなかったということもある)と思い、ひとまず眠る。翌朝の朝刊には記事が出ていた。あの時間迄情報が漏れてこなかったのに朝刊に載っていたということは、報道機関にはきちんと伝えられていたわけだ。劇団にそうしたい事情があったのだと思う。維新派のSNSやサイトは全く更新されていない(6/21に更新)。経緯を知っていたらしい関係者の方たちも沈黙していた。

あの世代のひとが亡くなっていくのは自然の流れで、いつかは必ず、とは思っていても、今じゃなくてもいいじゃないか。なんで今なんだ、という思いが、怒りに変わりそうだった。やりきれない気分で風知空知に向かい、そこで高橋さんの「犬と老人」を聴いた。

僕はどうしても その列に 加わる事が出来ない
それでも良いんだ 最後まで しっかりと見届けよう
手を振って見送るんだ この目に灼き付けるんだ
恥ずべき事は何も無い 胸を張って見届けよう

いつも胸に迫る歌詞だが今回は殊更きた。見送る側である限り、そうありたいと強く思った。

ワルいおっちゃん、松本さん。彼が日本のあちこちに出現させた街、そこに幾度か迷い込めたこと。蜃気楼のような旅団に遭遇させてもらえたこと。維新派の観客になれたことはなにものにも代え難い経験だった。感謝の念に堪えないが、それでも途方にくれている。

06月19日(日)
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