ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『客 손님』
今回遭遇したハプニングから、改めてソ・ヒョンソク作品は「ひとを信じる」ことが重要な要素なのだなあと思った。コンサート会場がテロの脅威にさらされるような現在にあって、これは弱点になるかもしれない。しかしその弱点こそを愛おしいとも思ってしまう。考えてみれば観客よりもスタッフ、演者の方が怖いのではないだろうか。最低限のルールのもと、受け手側のマナーを信じきる作品を上演する。どう反応するか全くわからない客を、幕切れ迄つれていかねばならない。その労力はひしと感じたし(特に隠れて家具をみしみしいわせたり風を吹かせたり霧をつくったスタッフには、職人が寝てる間に木靴を作ってくれるこびとを彷彿させた……)、その仕事ぶりにも感服した。日程にしても公演数にしても、今回くらいの規模が限界なのではないだろうか。需要と供給のバランスの難しさを思う。

思えば『From the sea』も、本来は異性と設定されていたパートナーが同性だったし、ソ・ヒョンソク作品ではイレギュラーな体験をする縁があるようだ(笑)。次回も楽しみにしています。

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その他。

・「客」- Togetterまとめ
『From the sea』もそうだったけど、積極的に感想を読んだり書いたりするひとが多いように思う。他のひとはどうだったか、気になりますもんね

・「自画像」ではなく「似顔絵」と指示されたのは、自画像だと全身描くひとがいるかもしれないからかなあ。全身描いたらお面つくれないもんね(笑)

・今回演者は全員女性だったようです。女性の観客はあのこどもを自分のこども時代として見ることも出来るが、男性の場合は選択肢がひとつ減るかも?
・そこで思い出したこと。『From the sea』はパートナーが異性であることが前提としてあったそう(※1を参照)だけど、このとき受け手側が同性愛者だった場合どうなるのだろう、ということ
・上演側の「信じていること」、ここにもヒントがあるかもしれない。そしてこれも弱点かもしれないな
・しかし、観客はそうした上演側の想定外を楽しむことも出来るのだ。これは常に心に留めておきたい

01月30日(土)
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