ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『胎内』スペシャル・トーク+α
そのうち日本の作品はどうだろうってことになって、いろいろ読んで…その中からピンとくるものがあったのが『胎内』で。で、圭史くんも読んでみてピンときたのがやはり『胎内』だったと。やはり名作なんだと思います。そしてこの名作を演出しない手はないだろう、演出したい、と思った。圭史くんもやってみたい、と思った。古い新しいに限らず、名作は何度でも上演されるだけの何かがあるんです。ピンとくる何かが。名作は演出したいですよ。名作を、演出したい。そして自分も来年辺り…別に具体的な話がある訳ではないんですけど…新作を書きたいですね。で、自分の書いたものは名作でなくても演出します(笑)
質問●村子の台詞に「どうしてひとは生まれてくるの?」と言う台詞がありますが、それに対する佐山の台詞が印象的でした。あれだけ日本人を蔑んでいた佐山から出て来たこの台詞を、演じる側は何を思って言っているのでしょうか?また隣でその台詞を聞いている花岡…多分意識がどんどん遠のいている状態なんだと思いますが…その花岡は、遠のく意識の中で何を思ってそれを聞いているのでしょうか。「ひとは何故生まれてくるの」か、そして「ひとは何故生きる」のでしょう
伊達●あの時何を考えているか…………あのー…………段取り的なことに(場内ジワジワと笑)なっちゃうんですけど…「ここで動いたらお客さんの注意がこっちに向いちゃうから、動かないようにしないと」とか(場内爆笑)「目立たないようにしないと」とか…(もう大ウケ)。あと、「ひとは何故生まれてくるの」か、ですよね…………(固まる)
長塚●多分このまま1時間くらいああですよ(場内爆笑)
徳永●では(笑)長塚さんは?
長塚●佐山はいちばん揺れがありますよね。日本人を軽蔑して、その日本人である自分を嫌悪して、でも最後には…。ちょっと直接的な話になっちゃいますけど、佐山は…不能者って設定じゃないですか。それが再生…うーん…再生するんじゃないかって思いますね…。何を考えて台詞を言っているかって言うのは、あのー……この芝居、ほんっとしんどいんですよ。終盤は本当に疲れて、正直もういっぱいいっぱいなんです(笑)なので何を考えて…とかなくて…朦朧としていて…自然に喋ってるって言うか…身体が勝手に言ってるって言うか…
(これ、対照的なようでいて、どちらも役者って生き物の言葉だなーと思ってゾワッときた!)
質問●あれだけ死んでもいいと言っていた佐山が「子供を作りたい」みたいなことを言いますよね。それについては
鈴木●「子供を生ませたい」、と言う台詞ですね。…種を残したい、残して自分がやれなかったことを託したい、ってことだけではないと思います。…アーサー・ケストラーの『ホロン革命』と言う本があるんですが、それに、広島に原爆が落とされたことによって、人間は個の死から種の死を考えることになったと書いてあって…自分が、個が死ぬ、と言うことだけでなく、人間と言う種そのものがいずれ滅亡するだろうと気付くことになった、と。で、僕は『胎内』を読んで驚いたんです。その原爆が落とされた戦争の直後に書かれたものなのに、「子供を生ませたい=種を残したい」と書いていること。その強さに…。
(『Thirst』でもテキストモチーフとされていた『ホロン革命』。非常に面白いんで(ヘコむけどな)興味ある方は是非)
昨日朝食をとっている時にTVで、福知山線の事故で1両目に乗っていて、生還したひとのことをやっていて。そのひとは両脚を切断して…それでも「生きててよかった」と思えるようになったと。本能、だけではない…と思うんです、それだけの力があるって言うのは。「生きたい」って思うのは。
(防空壕/洞窟の中で3人が死んでしまうだろうにも関わらず)この作品のタイトルが(命が生まれる)『胎内』なのは…そういうことじゃないかなって。それで、最後のあのシーン(母のような村子、胎児のような佐山と花岡)になりました
徳永●それでは最後に、今日の感想を
伊達●感想ですか…(固まる)
徳永●伊達さん、伊達さーん…
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10月25日(火)
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