ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■「演劇は何を『翻訳』するのか? 市原佐都子+チューリヒ市立劇場『バッコスの信女一ホルスタインの雌』を例に」
・翻訳でいえば「え(ろ)ほん」のニュアンスは流石に伝えられないか、普通にエロ本になってた。ここ、初見時うまい! すげーキラーワード! と感動したんですよね(笑)
・しかし逆に、ドイツ語でダブルミーニングな単語とか使っていた箇所もあるのかもしれないなあ。その辺りどうだったんだろう
・楽曲も一から作り直してあった。これも“翻訳”なのだなあ
・出版された日本語戯曲には楽曲スコアも掲載されていたので、楽曲はそのまま使うのかと思っていた
・ミュージカルと違ってライセンス制ではないのだな
・額田大志さんによる日本語版の楽曲が大好きだったので最初「あ、違うんや……」と思ったけど、いやいやドイツ語版もすごく格好よかったです!
・劇伴箇所は弦楽器を使ったアレンジのものになっていました。これも格好よかった
・「追加したシーン」は、終盤舞台上でキャストが「犬が殺されるなんて」「こんな結末は嫌だ」「別の方法はないのか」とディスカッションするところ。これについては後述
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上映後のトークで印象に残ったところをおぼえがき。記憶で起こしているのでそのままではありません。話が前後した箇所はまとめています。カッコ内の斜体は私の感想。
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市原:これだけはいっておきたいのですが、日本語通訳として劇場付の方とは別に、現地在住の、当時学生で私の作品を卒論テーマに選んでくれた方がついてくれました。制作現場以外でも一緒にいて色々話を聞いてもらって、メンタル面でも頼りにしていました。彼女の貢献はとても大きかったです。今は他の劇場に就職してしまったのでもう一緒に仕事が出来なくて残念です
(何度も「伝わっていないな、受け入れられてないなと感じるときがあった」と仰ってました。たいへんだったのだなあ……)
相馬:海外で上演したい、という話が出たとき、あちらの方にまずいわれたのは「上演時間が長すぎるんじゃないか」ということでした。でも実際にやってみたらそんなことはなかったですよね?
シューネマン:その話を聞いて思ったのは、「長い」といったひとは「(日本語上演で)ドイツ語字幕を見乍ら観劇する」ことが体感的に長いと思ったのではないでしょうか。実際台本をドイツ語に翻訳して上演すると、全然長いとは感じませんでしたね
(今回の上映は「(ドイツ語上演で)日本語字幕を見乍ら観劇する」だった訳ですが、集中力は切れなかったし衝撃も面白さも変わらなかった。でも確かに字幕を追い乍らの2時間15分は体力的に疲れましたね。映画の字幕とも違う感覚でした)
市原:どこの国の物語、と限定はしていません。どんな国にもいろんな国の要素が入っているものなので、無国籍というかごちゃ混ぜというか、敢えてここは日本だ、と限定しなくてもいいように書いたものです。窓から見える山も富士山のようだったり、マッターホルンのようだったり、どちらにも見えるようにしています
市原:しかしペットショップやスーパーマーケットが夜遅く迄開いているというのは日本独特のものだとも感じました。あとこちら(欧州)は犬権が強い。犬がとてもだいじにされていて、犬税というか、犬を飼うときに税金を払わなければいけなかったりする。その辺は最後のやりとりに反映されています。追加したディスカッションのシーンは、俳優に会う前に書きました(どよめき)。なので実際に演じる側から「結末を変更しろ」といった提案があった訳ではありません
(「スーパーが早く閉まるので肉が買えなかった」という台詞が追加されていましたね。コンビニでエロ本が売られているとかペットショップで動物を買うというのも日本独特のものかも。現地の観客にはどう受け取られたのかな)
シューネマン:タイトルは『バッコスの信女』をとって『ホルスタインの雌』だけにしました。ギリシャ神話のアダプトという側面もある作品ですが、我々は「佐都子さんの作品」を上演する、ということを全面に出したかったので。また、ホルスタインはドイツ原産の牛なので、このタイトルで良いと思いました。翻訳は、「台本を翻訳する」だけではありません
相馬:ここで、出演者からの動画メッセージが佐都子さんに届いています
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02月22日(日)
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