ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■J-Theater『教育』
実際の年齢とそう変わらない人物を飴屋さんは演じていましたが、それにしたっておじーちゃんないいまわしだな……なんて思ってなんとなく調べてみたら、この作品が初演された1954(昭和29年)の日本人男性の平均寿命は63.41歳だった。成程納得。ハスキーな声が合っていた。「生まれてきたこと」「生きること」を常に見ている飴屋さんと、この作品。繋がっているなあと感じました。

時代といえば、この戯曲が書かれた1950年代って、レジャーとしての登山が流行って、その分山岳事故も多かった時期なのかしらと思った。井上靖の『氷壁』もこの時代。こちらも調べてみたら、こんな資料が見つかりました。

・登山の歴史と文学┃国立登山研修所
「終戦を迎えると,まもなく『山と渓谷』(1946年復刊)や『岳人』(1947年創刊)が相次いで出版され,戦後の焼き野原に登山文化が蠢き出す。」
「そして1950(昭和25)年に朝鮮戦争が勃発し,いわゆる特需の恩恵を受ける。これによって戦後復興が加速され,人々の暮らしには余裕が生まれ,山にも行きやすくなってきた。」
「1956(昭和31)年(略)マナスル初登頂の記録映画『マナスルに立つ』は全国で上映され,どの映画館も長蛇の列を作る盛況ぶりであった。また,井上靖の小説『氷壁』が新聞連載され,スペンサー・トレーシーの『山』の封切りなどが拍車をかけ,空前の大衆登山ブームが起こる。」

うーむ、戯曲が書かれた時代背景と現在を照会してみるのって面白いな。「回顧」と「普遍」を知ることも出来る。興味ある劇作家が取り上げられたらまた観に行きたいです。

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・ちいさな劇場行くとほっとするな〜。お初の「劇」小劇場、このキャパにしては天井も高めで圧迫感もなく、いい空間でした

・田中千禾夫氏といえば、Wikipediaにも載っていますが(……)鴻上尚史の芝居を観ていたひとの間では有名な(?)人物でもありました。現代人が抱える罪の意識についてとか、分かり合えるところもあったのかも知れないのにねえと今となっては思う

・「演劇とは風に記された文字である」とはよくいったもので、上演され続けないと忘れられていってしまうなあ。残るものとしての戯曲はあるが、それも読み手がいてこそだ

で、下北だったので行ってきた。おいしいようゆっくり出来るよう閉店さびしいよう お世話になりました、有難うございます! pic.twitter.com/HxmHBk9BCK— kai (@flower_lens) May 21, 2022
長年お世話になったKate Coffeeが29日で閉店。下北沢でいちばん利用していたカフェ。アーッいいとこだった! ギスギスしたルールがなくても適度に静かでごはんもしっかり食べられてのみものもたっぷりで。悲しいし寂しいし、そして困る! これからどうすればいいんだ…再開発された駅前のオシャレカフェには馴染めそうにありませんよ……

・早速サンダーキャットのTシャツ着てるひとふたりに遭いました。下北ならでは? にっこり

05月21日(土)
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