ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『シュツットガルト・バレエ団の輝けるスター達』Aプロ
ヘンリック・エリクソン、アレッサンドロ・ジャクイント
「オネーギン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
ロシオ・アレマン、マルティ・フェルナンデス・パイシャ
「ブレイク・ワークス1」より “プット・ザット・アウェイ・アンド・トーク・トゥ・ミー”
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽:ジェイムズ・ブレイク
アグネス・スー、マッケンジー・ブラウン、マッテオ・ミッチーニ
「うたかたの恋」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:フランツ・リスト
エリサ・バデネス、フリーデマン・フォーゲル
─ 第3部 ─
「ボレロ」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:モーリス・ラヴェル
フリーデマン・フォーゲル
樋口祐輝、玉川貴博、大塚卓、岡侮i 東京バレエ団
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幕開けにふさわしい明るさを持った「春の水」では美しく決まったリフトにため息とともに拍手が起こる。男性ふたりの官能的なパ・ド・ドゥ「やすらぎの地」、ジェイムズ・ブレイクの曲にフォーサイスが振付けた「Put That Away and Talk to Me」も印象的。スピード感、ユニゾンのシンクロ具合、力強いビート。めちゃ好み。「ブレイク・ワークス1」は皆よかったなー、アグネス・スー、マッケンジー・ブラウン、マッテオ・ミッチーニ。ブラウンとミッチーニは準ソリストとのことで、層の厚さを思い知る。また観たい、てか通しで観たい! ガラ公演になったことで、来日公演では観る機会が少なそうなコンテンポラリータイプのダンスを観られたことが、個人的にはうれしかったです。
しかし「やすらぎの地」でRhyeの曲を使用していることにあちゃーとはなった。Rhyeが何をして今どんな評価になっているか、転記するのもおぞましいので、気になる方は検索してみてください。作品と人物は別と思いたいところはあるけれど、Rhyeのそれは作品そのものに関わっていることだし、いいイメージはないですね。
「眠れる森の美女」は歌舞伎の飛び六方のような動きもあり興味深く観ました。「椿姫」のピアノのみ生演奏。『M』でも演奏されていた菊池洋子さんでうれしかった。カーテンコールもダンサーたちと手を繋いで前に出てきました。盛り沢山なプログラムは楽しい。
そんなガラらしさが一気に吹き飛んだのが二幕最後の「うたかたの恋」。ささやか乍らセットや小道具もあり、何よりエリサ・バデネス、フリーデマン・フォーゲルのふたりがあっという間にドラマティックな別世界へ連れて行ってくれました。これがあの『エリザベート』の息子ルドルフとその恋人マリーの悲劇だとは知らずに観ていてスン…となってたんですが、幕間に近くの席のおじいちゃんと小学生の孫らしきふたりが「すごい悲しそう。どうして?」「これは本当にあった歴史的な事件で、ふたりは心中しちゃうんだよ」と話していてヨヨヨとなりました。
言葉なき物語をちゃんと感じとったこの子もすごいし、孫をバレエに連れてくるおじいちゃんの豊かな感性にも感じ入りました。そして勿論、ちいさなこどもにも不穏な男女の関係を伝え切ったバデネスとフォーゲルの力量も素晴らしい。
カーテンコールでは、女性ダンサーに花束が贈られました。公演実現に奔走してくれた方々に感謝。ドラマティック・バレエの名門であるシュツットガルト・バレエ。ガラ公演になったことで悔しさもあったでしょうが、ヴァラエティに富んだプログラムが観られてうれしかったです。
来てくれて本当に有難う、次回は是非フルメンバーで通し公演を!
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・公演直前! フォーゲルインタビュー 〈シュツットガルト・バレエ団の輝けるスターたち〉┃NBS News
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03月19日(土)
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