ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ウインド・リバー』
『アベンジャーズ』シリーズを観ていると、レナーとオルセンのやりとりにはグッときます。あのときもホークアイはスカーレットを勇気付けたなあなんてね。その道のエキスパートと新人捜査官、『羊たちの沈黙』を思い出す印象的なバディ。真摯に仕事にとりくみ、決して自分を大きく見せず、必要とあらば協力を請える素直な女性。そしてウインド・リバーの少女たちと同じくウォーリアーである女性。演じている本人もそうなのではないだろうか、と想像を巡らせ、共感を呼ぶ。そんな女性像をオルセンは見せてくれました。

それにしても『ボーダーライン』のベニシオ・デル・トロといい今作のレナーといい、なんでこうシェリダン作品はひいきの役者を魅力的に起用してくれるのか。しかも役柄がもうね……この演者でこういう人物が観たかった、こういう表情が観たかった、こういうアクションが観たかったというツボをおしまくってくれて感謝しかありません。デルトロもレナーも辺境の地で生きる孤独な人物がよく似合う。

音楽もずっしり残ります。ニックが唄っているパートもあり、『Skeleton Tree』を思い出す音づくり。ニックは三年前に15歳の息子を不慮の事故で亡くしており、『Skeleton〜』はその影響が色濃く現れた作品だ。「もし子供をもったら決して目を離さないこと」という台詞はニックには堪えたのではないだろうか。誰のせいでもないのに、少し、ほんの少し目を離しただけで子供を奪われてしまう。この映画のラストシーンが、愛する者を亡くしたすべてのひとに届くことを願う。

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・『哭声』のときもそうだったが、2ch(現在は5ch)の今作スレがとてもよい読みものになっています。掲示板のよいところは、自分がフォローしていないひとの感想を読めるだけでなく、各々の考察で交流を持てるところだな。TLがザッピングにならないところも落ち着く。
テキストサイトもそうだけど、SNSとは違うよさを改めて感じている今日この頃

08月01日(水)
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