ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■NYLON100°C 46th SESSION『睾丸』
新宿高校の坂本龍一、清水邦夫。実在の人名も登場する。第三舞台の『天使は瞳を閉じて』がシアターアプルで上演されたのは1992年。作中シアターアップルで上演されていたコーカミナントカの芝居って何だったのかな。なんてことを考えるのも楽しかったです。鴻上さんは学生運動に乗り遅れたと感じている世代で、彼らが夢見た「革命」にある種の憧れを抱いていたと公言していた憶えがある。90年代を象徴するサブカルチャー、演劇の代表という以外にも、KERAさんがこのモチーフを採用したのには狙いがあるように思う。四半世紀後に振り返る90年代初頭。といえば今回、岩松了がよく使う記号が多く見られたのはたまたまなのかなあ。階段(段差)、水(牛乳)、見えないところで起こる惨劇……『市ヶ尾の坂』を観たばかりだからそう感じたのかもしれないが。ちなみに『市ヶ尾〜』の初演は1992年。

こうして作品についてこまごま考えることが出来るのも、演者の芝居に違和感を抱かないおかげ。ナイロンの出演者はつくづく「ナイロンのリズム」を体得している。笑える/戦慄する台詞を絶妙のタイミングで、絶妙のトーンで。三宅弘城とみのすけのやりとり、三宅さんと坂井真紀(学生仲間の憧れの的、ザ・女優!)、みのすけさんと長田奈麻のやりとり。廣川三憲の大人の魅力もよかった(笑)。そして「墓場迄持っていく秘密」を抱えているのは実は彼女ではないだろうか、と思わせられる新谷真弓がとっても素敵。元夫がしらないこと、山程あるよね(笑)。女優陣の衣裳(前田文子!)が毎度素敵なのところもナイロンを観るときの楽しみなのでした。

そうそう、観たい赤堀雅秋と観たい安井順平の役柄にウハウハでした。ヴィジュアル込みで。赤堀さんと安井さんのパブリックイメージってこんな感じよね〜(笑・いいのか?)。てか赤堀さんは定期的にひとのホンでひとに演出してもらう姿が観たいなあ。素材に徹しつつも劇作家/演出家としての恥じらいが見え隠れする様子がすっごい羞恥プレイ的で興奮しますわオホホホホ。それにしても日々勝新に似ていく。最高。

観劇した日の夜(てか翌朝か)、FIFAワールドカップでフランスが20年ぶりに優勝した。20年前のW杯、よく憶えてる。W杯初出場の日本の初戦、対アルゼンチン戦の日はレピッシュの野音の日だったんだ。上田現も元気だった。実感としてふりかえれる20年という時間の、遠さと近さ。帰宅後は不二家のピーチネクターを早速飲みましたよ。毎夏ストックしているのだ、ロングセラーには思い出もついてくる。

07月15日(日)
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