ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ロープ 戦場の生命線』
そうそう、音楽がまたふるっててですね。バルカンといえばのチョチェクとかを使わずに、バズコックスからラモーンズ、マリリンマンソンとロックがガンガンですよ。しかもアメリカのパンク主流。これがいい皮肉になってる……聴いてるのがティム・ロビンスってとこがまたいい。『ハート・ロッカー』でもミニストリーが効果的に使われていたが、スペイン人である脚本・監督のフェルナンド・レオン・デ・アラノアはどこからこのアイディアを得たのだろう。「この映画をジャンルで分けるとすれば(中略)ひとつ確かなのは、音楽で例えるならパンクロックだということ。速くて、ダイレクトで、気骨があって、時間と闘っている」と話している。
原案は“国境なき医師団”所属の作家、パウラ・ファリアスの小説『Dejarse Llover』だそうだが、遺体の傷み具合や臭いについての描写はドキュメンタリー作品を多数手掛けている監督の手腕だろう。映画において伝えることが難しい触覚と嗅覚を、ひとつのカットで「それがどのくらいのものか」想像させることで刺激する。快適な映画館から、一瞬にして紛争地に放り出されたかのような気持ちになる。そう、今この瞬間も世界のどこかで同様なことが起こっている。
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・A Perfect Day (2015) - Soundtracks│IMDb
使用曲一覧。ニヤニヤしますねえ。ルー・リードの楽曲は複数使われ、エンディングに流れる「There Is No Time」は深い感慨をもたらします。彼にはまさに、の「Perfect Day」というタイトルの曲もあるのですが、これを敢えて? 使わないところもニクいですね。『トレインスポッティング』で使われている印象が強いので避けたのかな?
・ちなみに「Where Have All the Flowers Gone(花はどこへ行った)」、唄っているのはマレーネ・ディートリヒ(!)。アレンジはバート・バカラックだとか(!)
・パンフレットのつくりがちょっと雑、残念。本編で意図的に曖昧にしている部分を断定形で書いていたり、間違いもちょこちょこある(ベニーが『トラフィック』でオスカーをとったのは助演男優賞だし、『デッドマン・ウォーキング』の主演はスーザン・サランドンとショーン・ペンでティムは出演していない)。無記名原稿がこうだと、編集の仕事とは…思ってしまうなあ……。しかし伊勢崎賢治氏の『殺戮の「日常」という寄稿はとてもよかった。UN(国連)とNGOの関係、そのジレンマ。映画では国連の立場をかなりシニカルに描いていたので(NGO側から見ればそうなるわなという流れでもある)尚更読めてよかった
・ちなみにこのコラムで「A Perfect Day」は「天晴れな一日」と訳されていました。この訳もいいなあ
・明るい屋外の光で、ベニーの綺麗なヘイゼルの瞳も堪能出来ます(ベニー好きにはここ重要)。それにしてもベニーも相当大柄なのにティムはもっと大きいし、通訳役のひと(フェジャ・ストゥカン)もベニーより長身だった。どんだけ
02月14日(水)
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