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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『仕事の前にシンナーを吸うな、』(たったひとつのコント)
同時に、ステージにあるものひとつひとつにシビれる。まずオープニング、照明が灯り浮かび上がったステージの光景がもうとてつもなく格好よかった。レンジがチンと鳴るのを待っているまことのポーズ、それをテーブルから見ているきたろうのポーズ。サイズがぴったりの、洗練されたベストとパンツ。照明を含めた舞台の色彩、耳に残る音楽、出ハケのスピードとリズム、シュールなやりとりがするりとなじむ言葉の間。これこれこれですよ、このスタイリッシュなステージ! そんななかのらりくらりといやなことをいうきたろう、カッカしてるまこと、そこへ爆弾をおとしまくるしげる。これぞ、これぞシティボーイズ!!! ドカンとくる笑いも時折あるけど、上演中どよどよクスクスといった笑いが帯状に続くのも彼らならでは。泣くし笑うし。待ってたし。そう、まことの言葉を信じて、「じゃあ、また」を信じて待ってたし。
欠かさず観に行くようになったのは『ラ ハッスルきのこショー』からなので、三木聡とシティボーイズが組んだものを実際に観られたのは『NOT FOUND 非常識な青空』だけだったこともあり、懐かしさだけでなく憧れのものが観られた、という思いもありました。今回大ウケしていた「ビン蓋ジャム」はそれより前の公演に出てきたネタだったそうで、「あっ!」と言った感じで客席がわいたときには意味がわからなかったけど、きっと前にあったものなんだろうな、それだけ観続けているお客さんが多いんだなあなんてまた胸が熱くなったりしました。シティボーイズは映像に公演を残してる。ステージは絶対ライヴでといったポリシーがある訳ではないが、それらを観てはいない。この先、本当に公演を打たなくなったら映像でも観たくなるだろうなと思う。そのときが来てほしくないので、映像で「ビン蓋ジャム」を観るのはまだ先になりそう。なってくれ。
今回の音楽誰だろう、また涼太さんかなと思っていたら実際そうで、しかも本人によるピアノ生演奏。長く公演を続けてきた彼らからのプレゼントのように思えて、こういうところにもジーンときた。こんなに笑える感慨があるなんて、彼らのコントを観続けていなければ知ることもなかったかもしれないな。そこにもまたジーンときた。おじいちゃんが三人揃ってコントやってるのが観られてうれしい、コント一本だけとか、こういう小規模(つってもそれなりの中劇場だが)でも、不定期でもいいから続けてほしい、続いてほしい。白く輝くフリスクとともに、目に焼き付けた光景の数々。その残像を噛み締めつつ、「びんぶたジャ〜ム〜♪」のふしまわしを脳内で再生しつつ、またの機会を待ってます。
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・ライスも面白かったです! 毎回若手を呼んでくるところも好き〜
・WOWOWのカメラ入ってたのでオンエアあるみたいですよ。しかし毎回思うことだが、あれオンエア出来るのかな…いろいろと……
・別の回にいったポンチさんとこまごまネタを照会したのだがあまり一致しない。どこ迄がホンにあったものなのか、段取りどおりだったのか、どこからがアドリブ(というか事故)なのかの区別がつかない。同じ作品を観たのかすら疑わしくなってくるゆらぎの多さよ…最高……
三木聡作演出のシティボーイズライブ「仕事の前にシンナーを吸うな、」。07年映画『図鑑に載ってない虫』元題。故・川勝正幸さんのコラムを読み返してたら資金が集まらず改題されたことが書いてあった。17年ぶりに手掛けたシティボーイズライブでそれが黄泉がえるなんて…千秋楽には観に来てたかな― 川野将一/ラジオブロス (@kawano_mk) 2017年6月14日
終演後に知ったエピソード。ほろり
06月13日(火)
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