ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『哭声 コクソン』
そしてファン・ジョンミン! ここのところ主演作がつづき座組のバランスを俯瞰するような立場が続いていましたが、『アシュラ』と今作では水を得た魚のよう。自分の持ち場を楽しんでいるようにも見えました。助演の方がのびのび出来るんだろうな。ハッタリではない霊能力を持ち、しかし金にはがめついシャーマン。聖俗あわせもつ複雑な人物像で観る者を惹きつけて離さない。ラストシーンにはぞっとさせられました。圧倒的だったのは祈祷のトランス状態。舞台出身ならではの身体性とリズム感で今作のハイライトシーンにもっていった。ありゃーすごかった…また曲がいいんだ。曲といっていいのか? 要は祈祷のために叩く太鼓のプリミティヴっぷりなんですが、逆転してレイヴっぽくすらあるわけですよ。これはアガる。い、一緒におどりたい……。普段着に着替えたときのナイキのジャージが気になりました(笑)。これがまたうさんくさくてよかったんだよね。

156分の上映時間が全く苦になりませんでした。こういうところも『沈黙』と似ているな。しかし「ここはカットしてもいいのではないか」と思えるシーンもちょこちょこある。全てに意味が込められているのは感じるが……序盤の車中での夫婦の営みやそれを見ていた娘と父の会話は、家庭における妻の母の存在や、娘の深層心理への影響を感じさせる。終盤の娘と父の思い出は、監督によると「(父へおくる)慰め」とのこと。主人公の同僚の警官や友人が語る噂話の再現シーン、終盤映る掌の傷はちょっと説明過多かな。

「悪霊」の実態。疑いによって訪れる混沌のなか、そこへ辿り着いた者はいたのだろうのか。いやーすごいものを観た。リピートしたいよー。

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さて、謎解きについて。

・『哭声 コクソン』超ネタバレ
いちばん腑に落ちたというか膝を打ったのはこれ。『マルホランド・ドライブ』の謎とき(これとかこれ)を読んだときと同じ感動がありました。どうにもデヴィッド・リンチを連想することが多いが、ホンジン監督にはより筋道を通す意識を感じる。
オムツと字幕に訳されていた褌が何げに大きなヒントとなっていましたが、当初の台本では「(よそ者は)一糸まとわぬ姿」だったとのこと。このあたり、どう変化して整合性が生まれたのでしょう

・あと『哭声 コクソン』2chのスレッドが盛り上がっています。さまざまな解釈があり、バリバリネタバレしてるので完全に観たひと向け。こういうときは2ch面白いと思う…ひとの感想読むのめちゃ楽しい……

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・輝国山人の韓国映画 哭声/コクソン
いつもお世話になっております! パンフレットには主要人物の配役しか書かれていないので助かります。
『The NET 網に囚われた男』にも出ていたあのひと、チェ・グィファっていうんですね。『釜山行き』や『トンネル』にも出ているようなので楽しみ

・國村隼インタビュー 『哭声/コクソン』の過酷な現場でも意識した「お客さん」の存在|SPICE
「脚本には、お客さんが戸惑うような流れがちゃんと書いてあるんですよ。だから、僕は脚本通りに演じる」。
モチーフとしての旧約聖書と新約聖書の関係性、舞台出身者である主要キャストとの共通点、そこからあらわれる作品へのアプローチ方法、観客を意識することについて。韓国の観客の反応がおかしい、「わあ!悪魔!ファンです!写真撮って!」(笑)

・國村隼の怪演を『哭声/コクソン』監督が絶賛「混乱もたらす聖書のイエスのような"よそ者"」ナ・ホンジン監督インタヴュー|webDICE
「イエスは歴史上最も混乱を与え、疑惑を持たれた人物」。クリスチャンである監督が今作を前に考えたこと、そして「被害者」について。
ジョンミンさんをキャスティングした経緯や、役者ファン・ジョンミンについてのアナライズも興味深い

03月12日(日)
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