ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『キャバレー』
長澤まさみのサリー、魅力的なことといったら! 冒頭の白いビスチェにガーターベルト、タイツという衣裳が映えまくる美しい肢体、その肢体をフルに活かした歌とダンス。ヘルシーなのに香り立つようなデカダン、思わず拝みそうに。いや、拝みました。観られて至福。歌も一昨年ソウルセットのライブにゲスト出演したときからめちゃめちゃ進化していた。真摯に準備をしたのだろうなと思わせられた。ディストーションをかけた唄いまわし、迫力の貫禄。彼女をセンターにした群舞は夢のキャバレーそのものだった。『キャバレー』といったらボブ・フォッシー、と意志の固い方も多いでしょうが、振付稼業air:manによる振付がまたたいそう魅力的で。底辺で生きるひとたちのタフな人生、物語を内包したタフなダンス。
小池徹平のクリフォード(あの年齢でこの巧さと安定感、すごいひとだよね……)、秋山菜津子のシュナイダー(シリアスとギャグの自在なバランス、松尾作品にこのひとあり!)、小松和重のシュルツ(おかしみと悲哀と。石丸さん曰く「彼の持っている技は他の誰とも違うというか、売り場が違う感じがする(笑)」)と試合巧者揃い。オケピがステージ上にあるのもいい、ブラスセクションを強調した門司肇のアレンジもいい。華やかでセクシュアルな衣裳に身を包んだ女性プレイヤーで編成されたバンド(平岩紙も数曲Hrnで参加)、蠱惑的なキット・カット・クラブ・ボーイズ/ガールズと、チープにもゴージャスにも対応するヴィジュアルバランスも素晴らしい。これぞ松尾版『キャバレー』というものを見せてもらいました。年明け早々幸福です。
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・PARCO製作 ミュージカル「キャバレー CABARET」(2007年)|演劇◎定点カメラ
松尾版初演は逃してるんでこういうときはまねきねこさんのサイト行きますよね。MCサダヲさん、サリー松雪さん、クリフォード森山未來かー。そしてMCとともにいる影の重要な役である男は星野源だったと。おお……
・パンフレットで秋山さんが、初演を観にきた中村勘三郎とのエピソードを話しています。勘三郎さんにはもう一度松尾さんと組んでもらいたかった。折しも野田秀樹のよる勘三郎へのオマージュ『足跡姫』が上演中
・【B面】犬にかぶらせろ!|ミラーボールの起源
・twitter|@hashimotronika
ミラーボールを使ったシーンが忘れがたく、その起源について調べてしまった。まさに『キャバレー』の頃なんですね。EX THEATERにはもともとミラーボールが設置されているけど、KAATや他の劇場でも同じ演出が出来るのだろうか。KAATは『TATAMI』でミラーボールを使っていたけど、あれは大スタジオだったから……。ホールで客席上空に設置出来るんだろうか、客席迄光がまわせるだろうか。あのシーンは全劇場で再現してほしいなあ。これからKAATで観るひとはどうだったか教えてくださいー
01月21日(土)
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