ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール 結成10周年記念公演『歴史は夜作られる』第一夜
最初にやりとりと書きましたが、もはや演奏においては一心同体のようにすら感じました。「ルペ・ベレスの葬儀」の主旋律はサックスとベースのユニゾンなんですが、まーこれがピタリと合っているにも程がある…と言うか、もうなんて言うんですか、肌を合わせていると言う表現が最もふさわしいのではないかと思う程。このあたりリハで詰めたところもあるでしょうが、あの反応の仕方は身体に流れているグルーヴが同じだとしか思えなかった。身体(=グルーヴ)の相性がいいのだな、と官能すら感じさせる。その後のメンバー紹介で菊地さんが鳥越さんのことを「プライベートは全く知らないし、普段何をしてるのかも知らない。だけど演奏でだけは深く繋がっている」と評したのですが(ふいをつかれて鳥越さん「えっ、僕ですか?」となってた・笑)宜なるかなと思わされた次第。「孔雀」や「プラザレアル」での拍の入れ方も、ふたりして面白かった。
そうそう、今回菊地さんの二面性がよく表れていたような…ふたご座、AB型の左利きの男が、両利きっぷりを出してきたみたいな。個人的な見解ですが、左利きのひとを見るときって、その名残=野性みたいに思っているところがあります。ひとの手が、社会のルールが入り込めなかった名残。社会を構成するひとりではあるけど、どうしても顔を出してしまう野性。右を使うからこそ輝く左、みたいななー(おかしいこと言ってる)。実のところは判らないけど、今回指揮も右手で振る場面がちょっと多かったように思いました。
あと面白かったことと言えば、菊地さんが大儀見さんのサポート仕事を紹介しようとして、SLTを思い出せなくてLRと言ったところ。脳内でLとRの間に矢印が入りました(笑)。「生まれたときからエースで四番」、大儀見元にワタシは依存している、大儀見がいなければどんな音楽をして、どんな服を着て、どんな飯を食べればいいか判らない。てなことも言ってました。大儀見さんの休業中、菊地さんは彼の窓口になっていた。多分後見人としても動いていた。そういうところがあるひとだ。「キリング・タイム」の大儀見さんのソロ、素晴らしかった。
そうそう、この日唯一のヴォーカルを聴かせた「嵐が丘」ですが、ハンドマイクだったところにおわっとなりました。この曲でハンドマイクは初めて見たような…? JAZZ DOMMUNISTERSの方は熱心に追ってはいないのですが(つーか追いきれん!)その流れか? 声量もすごく増えていて、あと以前に比べてピッチが鉄壁に安定してる。御年52、「見かけは若いけど中身はボロボロです」なんて言ってましたけど、のびしろですね!(本田)
「パトロネージもスポンサードも受けず、木戸銭主義でこの楽団を十年維持出来た」ことに対する誇りと、聴衆への感謝と。自虐的に維持費なあれこれもぶっちゃけ、数日前知ったeweクローズのニュースを思い出したりもしました。ちなみに当日配布のパンフレットによると、ewe時代の音源はリマスタリングされ、秋にTABOOレーベルからリイシューされるとのこと。市場から消えないのはだいじなこと。その音楽を必要とするひとたちに届けられる道が断たれないことはとてもだいじなこと。
台所事情を聴いてもなお粋、醒めたエレガントな夢を見せてくれる楽団。またの夜を楽しみに。
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セットリスト(こちらの画像を参考にさせて頂きました。有難うございます)
01. 微音即興〜はなればなれに〜アルファビル〜即興
02. バターフィールド8
- MC -
03. 京マチ子の夜
04. 孔雀
05. キリング・タイム
- チューニング〜8 1/2 -
06. 導引〜プラザレアル
07. 嵐が丘
08. 儀式
09. ルペ・ベレスの葬儀
encore
10. メウ・アミーゴ・トム・ジョビン
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06月20日(土)
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