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by kai
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■『甘い人生』『建築学概論』
データベース等。いつもお世話になっております!
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『建築学概論』@シネマート六本木 スクリーン1
同じく『韓流祭』、「オム・テウン祭FINAL」。チョ・ジョンソク(『観相師』、『王の涙』出演)のスクリーンデビュー作だと言うので。
原題は『건축학개론(建築学概論)』(サブタイトル「Architecture 101 where our love begins」)、英題は『Architecture 101』。2012年作品、日本公開は2013年。監督はイ・ヨンジュ。
1990年代。大学で出会い、お互いの気持ちを伝えきれないまま苦い別れ方をしたふたり。十五年後、建築士となった彼の前に彼女はクライアントとして現れる。どんな家に住みたいのか? 顧客の理想とする家を建てるため、彼は彼女の気持ちを確かめていく。それはふたりの過去の記憶を呼び覚ます――。
90年代と現在のふたりを、別々の役者が演じる。十五年と言う期間なら、ひとりの役者で演じることも出来なくはない。しかし違う役者が演じることで、「忘れていた」過去の記憶はまるで初めて起こることのようであり、初めて見聞きするように感じる。そんな錯覚に陥るのは現在の登場人物だけでなく、観ているこちらも、なのだ。そんな大人になってしまった、初恋のひとの顔と名前を忘れる程になってしまった――確かに社会に出てからの十数年と言うのは、日々をこなすことに忙殺されているうちに気付けば過ぎている年月として絶妙な期間だ。
それを痛い程実感出来るのは、制作側が想定したであろう観客世代にどストライクだからです。ディスクマンにヘアムース、あのファッション……キエーーー(記憶の扉をいろいろと開かれたらしい)いたたまれない!!!「レコードプレイヤーしかなくて借りたCDが聴けない」と言うエピソードは、ちょっと後の世代だと「ビデオデッキしかなくてDVDが観られない」、今だともう「配信されてるからダウンロード先教えるね」って感じでしょうか。貸したものが返って来ないと言うせつなさはない。しかし若い世代の観客には、それに替わる現代のせつなさがある筈。彼らは彼らにしか感じ得ない気持ちを以って、恋人未満のふたりをやきもきし乍ら観るのでしょうね。重要なモチーフにもなっている当時のヒット曲「記憶の習作」も非常に心に響くものでした。本国の観客は特別な思いを持って聴いたのでしょう。
ここでふと思い出す、先日観た初恋もの『傷だらけのふたり』との共通点を見出しつつも、今作に苛立ちが起こらなかったのは何故か。それは女性側にも新しい道が開けていたからなのだろうな。そういうところは非常に現代的であったと言えます。「家を建てる」と言う行為に、登場人物それぞれの人生、重ねて来た時間を重ねられる。新しい家での生活が始まる。映画が終わったあとも、彼らの人生は続くのだ。それは十五年なんてものではない、まだまだ長い時間。抑えた演出で繊細に描かれた、人生のドラマとしても心に残る作品でした。これはかなり好き。
あ、あと韓国映画はバイオレンスものばっかり観てるので、素敵な女優さんが素敵な衣裳をとっかえひっかえ着てる様子をめっちゃ楽しんだ…癒し……。
さてジョンソクくんは90年代パートに出てくる主人公の友人。浪人中なのに勉強している様子もなく、ファッションと女の子に力を注いでいます(笑)。しかし実のところどうだったんだろう? 当時最先端のファッションに身を包んでいてもそれは街の風景からは浮いている(と言うか、あまりにも最先端だともはやダサい・笑)。ふたりの彼女、ウキウキとワクワク(この名前がまたいいじゃんね)は姿を現さない。恋に奥手な主人公に与えるアドバイスは、果たして経験上から得たものだったのだろうか……? ファンタジー的要素もあるキャラクターでもありました。現在パートに出て来ない彼は、今でも浪人生のままあの街をフラフラしてるような気すらします。ウキウキとワクワクと一緒にね。ちょっと妖精ぽいね、ファッションセンスの悪い(笑)。あっはっはかわいい。
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04月09日(木)
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