ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『太陽2068』
綾野くんを舞台で観たのは初めてでしたがすごい熱い方なんですね。鉄彦がヤンキー造形でくるとは驚かされました。そのまっすぐさが強み。「なんだよそれ」「灰皿だよ!」は綾野くんのプランだと思うが(笑)その意欲も好印象。久々蜷川組参加の成宮くんは、面倒見のよいお兄さん的な立ち位置。綾野くんのプランを深い懐で受けとめている印象でした。時の流れにしみじみ。しかしふたり、同い歳なんですってね。前田さんはキュリオ期の焦燥感と、それらが霧散したノクス期の対比がよかったな。特に思春期特有な感情でもあろう、親や故郷へのもどかしさの表現がよかった。彼女の未来が明るいものであってほしいと祈らずにはいられない結でした。

個人的には初演で安井さんが演じた金田を大石さんが演じていたことが嬉しかったです。山崎さん演じる曽我もよかった。ふたりは差別や嫉妬の感情を抑えられないことに悩み、キュリオからノクスへの道を選んだことで悩む。その感情は極めてキュリオ的でもある。ここにも共存へのヒントがある。そして内田くんはイケニエ的な役が多いなあと思った…ヴィジュアルは作り込んでましたねー。拓海はあれからどうなったんだろう。結も鉄彦も村を出てしまったから、ただひとりの若者なんだよね……。

ひとつ気になったこと。ラストの演出、あれマチネとソワレじゃすっごい印象と言うか作品の解釈としても変わりそうだけど、マチネはどうやってるんだろう。マチネだと未来のふたりとしても見られるのかな。昼の世界でも生きられるようになり、キュリオと太陽の光を浴びるノクスの姿。

蜷川さんは希望を語らない。絶望の鏡としての希望を見せるだけなのだ。それがどんなに自分にとってだいじなことか再確認することが出来ました。感謝。

07月19日(土)
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