ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『渇き』
そして私がこの作品を愛する強力な要因、「撮りたいシチュエーションと画」と思われるシーン…いや、もはやこれ、私が観たかったシチュエーションと画ですわ。祭服姿のガンホさん! 長身だから似ー合ーうー! 脚の長さが際立つー! しかも神父役ってんで痩せてるしー! 神父が人妻をお姫様抱っこして夜空を飛びまわるシーンの、キム・オクビンの表情! オクビンさんホント素晴らしかったなー。義母と夫に「犬のように」扱われた年月を語るくすんだ表情から、神父と出会ったことで官能を知り、ヴァンパイアになることで生命力を得た表情へ。命の美しさを映像に焼き付けるかのようでした。終盤、その命を懸けてふたりが争う場面の演出も心に残った。全くの台詞なしで、結構長い時間。最終的に神父と同じ道を選ぼうと腹を決める迄の彼女の葛藤、そこにあの「靴」が出てくるところがせつない。あの靴を履かせるシーンも観たかった画だったわ……。手を使って履かせるんじゃなくて、抱き上げて置いた靴に足を入れさせるあの構図ね。台詞がなくて長いと言えば、ふたりが病院で初めてセックスするシーンも素敵だった。あのシーツでくるんで抱きしめるところ、監督の指示なのかガンホさんの判断なのか知りたいところです。そして糸切り鋏で血を吸う傷口をつくるアイディアには唸った、なんてチャーミング! って。この作品のヴァンパイアには牙が生えないようでした。これらが観られただけでもう幸せ。あとバイオレンス描写ね。血の量も好み。
神父が麻雀やってたりするのも面白かった。クリスチャンの多い、アジアの国でしか見られないであろう光景。パク・チャヌク作品お初だったんですが、いろんな意味で「これがあの……!」と言う印象でした。これから他の監督作品も観ていく予定。
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メモ。
・Heavy Sweet Heaven『渇き』
神父が信者の女性を強姦するつもりはなかった、と言う根拠。この説明がいちばん納得出来ました
07月11日(金)
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