ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ロードムービー』
デシクを演じたファン・ジョンミンは撮影前にホームレス生活を送り、薬物に溺れるソクォンを演じたチョン・チャンは大麻に手を出し検挙された。犯罪に手を染めたことは決して評価出来ないが、ギリギリ迄自分を追い込んだ役者たちの真摯な演技は説得力がある。山男の風貌だが仕草や表情の移ろいが繊細なファン・ジョンミンと、卑屈な人物が徐々に心を開いていく過程を痛切に演じたチョン・チャン。塩倉庫での彼らは、『1900年』の、納屋でデニーロとドミニク・サンダが抱き合うシーンのように神々しい。イルチュ役のソ・リンは目まぐるしい感情の起伏を強烈に演じ、ミンソク役のチョン・ヒョンギは滋味ある演技に孤独を滲ませ心に残る人物になった。コテージの主人ジョンインとその息子スホを演じたパン・ウンジンとイ・ジェウンは、少ない出番乍らも確かな印象を残した。デシクとスホのひとときの交流は、この作品中数少ない“救われる”シーンだった。
眠りにつくとき、無意識に傍の温もりに擦り寄ってしまう。そうせずにはいられない、寂しく痛みに満ちた人物を演じきった彼らは、時間が経った今も胸の奥に棲みついている。
置いて(捨てて)いくと言う形のロードムービー。イルチュが、ミンソクが、そしてデシクが? あるいはソクォンが? 置いて(捨てて)いかれた人物には死の色が濃いが、物語のなかでその行く末は明らかにされない。彼らは生まれ変わることが出来るのだろうか? 救済はどこかにあるのだろうか。最後に残った者は前に進む。かつて触れ合った、受け入れたひとの帰還を願う、無事を祈る。頂上を目差すひとを麓で待つひとのように。
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メモ。
・ロードムービー(2002、韓国):明日には明日の風が吹くのか?
・「ロードムービー」 (2002) 로드 무비 -「韓国映画」雑記帳 - Yahoo!ブログ
公開前後の様子を知ることが出来、とても参考になったレヴュー
・輝国山人の韓国映画 キム・インシク ロードムービー
キャスト、スタッフのクレジット詳細
・ROAD MOVIE
日本語のファンサイトがありました!充実の内容。有難い……
・황정민, “사랑해서 보내준다는 말, 저는 믿어요”(인터뷰) | 텐아시아
(・エキサイト翻訳)
ファン・ジョンミンのインタヴュー。今年のものですが、『ロードムービー』撮影当時の話をしています。異性愛者である自分が同性愛者を演じることにかなり悩んだそうで(ハードなセックスシーンもあるし)、ストレスで蕁麻疹や高熱が出て大変だったそう。もともと肌が弱いみたいですね、本人もことあるごとにネタにしてる。気にするなよ…と言いたくなる!
今は「男女を離れて、ひとがひとを愛すると思えばいいのだと判った」とのこと。円熟した演技と人間性が加味された現在の兄さんが演じるゲイ、是非また観たいです
・ [이 남자의 변신] 대마초 파문으로 곤욕 치른 탤런트 정찬“그 사건이 있고 나서 작은 오해도 받기 싫어 담배까지 끊었어요” | 생각하는 여자가 읽는 잡지 ::여성동아::
(・エキサイト翻訳:1、2)
チョン・チャンのインタヴュー。検挙後のもので、大麻使用についても正直かつ誠実に話しているいい記事です。弟さんのこととか、いろいろあった様子。大変だったね……。
ダイバーのライセンスを持っていることから、海のシーン(イルチュが溺れるとこね)で裏方をしていたとのエピソードも
・ジョンミン兄さんの萌えメモとしては
-ちいさきものを愛でるときの懐の深さなー
-相手の頬に触れるのは癖?お国柄?
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04月26日(土)
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