ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ヴェニスの商人』『遠景の音楽〜弦楽三重奏のための夜想曲〜』
高橋徹也『遠景の音楽〜弦楽三重奏のための夜想曲〜』@下北沢SEED SHIP
ワンマン観るのは初めて。しかも今回特別編成で、弦楽三重奏との共演です。Vo、G:高橋徹也、Pf:佐藤友亮、Vn:矢野小百合、Vla:田中詩織、Vc:今井香織。
最新作『大統領夫人と棺』リリースツアーの一環と言うことで、そのナンバーを中心に。このアルバムとてもよいのです、そもそも今回観に行こうと決めたのは六月に観たライヴで瞬時に魅了されたから。メジャーにいた頃からその存在は気になってはいたのですが…周りにファンの方が結構いたし、話もいろいろ聞いていて。なんだかんだでこのタイミングになりましたが、やはりライヴの威力はすごいな。すぐ次が観たい、もっと聴きたい、となりましたもの。これは小林建樹に感謝しなければ!彼が出演してなかったらあのイヴェントに行っていなかったもの。
SEED SHIPはビルの3F、全面ガラス張りの大きな窓をバックにしたいい雰囲気のライヴスペース。満員の観客の集中力も高く、静まり返って演奏と歌に聴き入ります。MCも終盤迄全くなし。アルバムの世界観をだいじに、丁寧に差し出そうと言う心意気を感じました。アーティスティックな職人技、と言う相反しそうな要素が無理なく同居していて圧倒されることしきり。演奏途中近くを通った救急車と消防車のサイレンが大きく響いたこと、曲間大声でスペースの空調に注文を出す客がいたこと(MC一切なしで進行していたことからも判るように、あの構成とても練られていたと思うんですよね…それが分断されたと思うのです……)が残念でしたが、演奏を始めると瞬時に空間を支配する。見事でした。キャンバスを持ってスタンドマイクで唱ったり、リーディングをラジオ音声のように鳴らしてイントロにする等の演出も格好よかったです。そしてあの声、耳を傾けずにはいられないなあ。
MCでストリングスの女性三人を紹介したあと「やっぱり女性って、ここぞと言うときはキメてきますよね…格好いい。(佐藤さんを見やって)…俺たちなあ……!」だって(爆笑)。ちょ、何言って、めちゃ素敵ですやん!何の不満が!痩身を黒の上下で包んだ衣裳とてもキマってますやん!佐藤さんだってベストにボウタイでキメてるのに!その後「脱ぐ!」とジャケットを脱ぎ、リラックスした雰囲気のなか最後の曲を。アンコールもその流れで。
前述のとおりセットリストの流れをとてもだいじにしたコンセプチュアルな内容、アルバムの楽曲そのものの魅力、それを伝えると同時に違う角度から光をあてて表現する技量。そのどれもが素晴らしく、カメラも入っていたのでこれはパッケージ化してほしいなと思いました。シビれた。
いやー、いいハシゴだった。プロフェッショナルな仕事に接すると、こちらも背筋が伸びます。ちゃんとしよう(何を)。
09月14日(土)
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