ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『歓喜の歌』『地下室の手記』
ほぼ原作通りとのことですが、帝政ロシアから現代日本に舞台を移し、告白を「ネット中継」する、と言う形をとっています。中継はニコ動。ニコ動なので当然レスポンスが画面に流れます。実際画面の向こう側にいる視聴者には窺い知れない「俺」、同時に画面の向こう側の視聴者にしか見せられない「俺」、中継が始まったばかりのとき視聴者がいなくてちょっとさびしそうな顔をする、画面からは見えなかった「俺」。イキウメと言えば、のあの音楽を逆手にとった演出も冴える。いい話ぽくしてんじゃねーよ!俺はここから出ねえからな!かくしてクズは地下室にこもりつづけるのであった。さて、金が尽きたとき彼はどうなっているか。資本主義って大変ですよね。

とにかく安井さんありきと思わせられる舞台だったんですが、安井さんならこれやれるでしょってああいうホンにした前川さんもすごい。ガチンコです。イキウメ客演常連だった安井さんが正式に劇団員になったのが一昨年。前川さんはこの機会を窺っていたのではないだろうかと思いました。役者・安井順平のプレゼンテーションとしても非常に優れた作品。回想として現れる「訪問者」小野ゆり子さんも、実体を感じさせる存在感で時間軸を狂わせ、印象に残りました。

イキウメ次回は客演に手塚とおるさん、しかもホラー、しかも円形!円形でやった『太陽』の恐怖描写、ホンットに怖くて逃げ出したくなるくらいだったんで期待も膨らむ!

08月03日(土)
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