ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『水の音』
ドラマドクターがどのように戯曲を手直ししたかは判りませんが、当日配布のリーフレットに「女性(の作者)だからこそ生身の自分(女)をさらけ出すことがためらわれ、女性がいまひとつ描き切れていなかった。土田さんはそこの部分を引き出した」と書かれていました。劇中奈津が思いを爆発させる台詞があるのですが、そこかな。その台詞を受けた敦志と楓太の言葉によって、男女の感情を抜きにした“仲間”が実はお互いの意識を基盤として維持されていたことが明かされる。数十年後の理解は戻らない時間の重みを感じさせる。印象的なシーンでした。この機微、年齢を重ねるとより実感が強い。大人の舞台。じわりと心に残る作品でした。

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・それにしても小須田さんは人魚の肉喰った族だなとしみじみ。最初観たときから殆ど姿形の印象変わらん……
・“マスター”と言うと大高さんだろうと思ってしまう第三舞台病
・しかしエプロン姿でコーヒーを淹れる小須田さん素敵でしたよ

・近江谷さんはあっちの女にフラフラこっちの女にフラフラと言うおいしい役であった(笑)が、こういうある意味幸福な役を悪びれずに表現するって難しいですよね。ちょっとのさじ加減でいや〜な役になってしまうところ、愛すべき人物をつくりだしていていました

・津田さんのさっぱりした物言い、“仲間”を印象づけるのに効果的で気持ちがよかった。それが瓦解して本音をぶわっと放つときの落差が衝撃的でもあり、女性として共感もし。これを虚勢と思うか照れの裏返しと思うかでも解釈が分かれますが、男女の押し引き(敢えて駆け引きとは言わない)の複雑なとこですよね。心に刺さりました

・エコー劇場初めて行きました。いいハコ!テアトルエコーのホームだったんですね。納谷悟朗さんについて何かあるかな…と思ったけど、劇場と事務所の入口は別だったので判らなかった。お別れの会はこちらで開かれるんですよね

03月15日(金)
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