ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『007 スカイフォール』『Wonder Land〜暮れの元気なご挨拶、TOKYO No.1 SOUL SET〜』
はあはあはあ、レイフのことだけでこんなに書いている。ここでようやく本編についての話になりますが、今回って新旧交代と言うテーマがありつつ、母と娘(…娘?いや息子でもいいけど)の関係についてがストーリーの根底にあったように思いました。身寄りのないこどもたちとその母親となる人物。愛されるこどもと愛を得られなかったこども。どちらも一度は母に切り捨てられる。母のもとへ戻らなかったシルヴァは復讐の鬼に生まれ変わり、戻ったボンドはレザレクションが趣味だと言う。今回事前情報を入れないようにしていたものの、重要な小道具となったブルドッグの置物についてはついtwitterに流れてきたのを読んでしまったのですが、これは事前に知ることが出来てよかった(楠野さんありがとー!)。MI6本部が爆破された際に破損していたこのブルドッグ、ボンドが受け取ったときは修繕されていた。Mの遺言は、何度でも復活して主人=国を守れと言う意味を持つのでしょう。シルヴァはブルドッグにはなれなかったんだな……。怪物のような人物造形だったにも関わらず寂しさのようなものがちらちら見えたシルヴァ、彼がMと対面して「こんなに小柄だったのか」と言ったシーンはとてもせつなかった。Mも彼の本名をちゃんと憶えていたしね。

で、そんな魅力的な悪役を演じたハビエルがもーすんばらしかったです。悪役なのに肩入れしたくなる…たっぷり待たせてくれて、やっと登場したときの存在感!ここの長回し演出がまた利いてて!金髪もだんだん違和感なくなってきて、スカイフォールでの戦闘時にはもう格好いいとすら思えましたよ……。あとどーでもいいことですがハビエルって以前鼻骨折してて、左右の鼻の穴の形が結構違うんですよね。これをあおりで撮ると、シルヴァが受けた壮絶な拷問と自殺しようと使用したシアン化水素の影響のように見えちゃうとこがまたよかった。

アデルの唄う「スカイフォール」に乗せたオープニングタイトルをはじめ、ユニオンジャックに包まれた棺の列、上海の夜景に浮かぶ格闘のシルエット、スコットランドの広大な風景等映像美も素晴らしかった。このあたりわあサム・メンデス!て感じでしたがアクションシーンもすっごい迫力でテンポもよく、メンデス監督ってアクション演出もお手のものだったんだ…とちょっとビックリしました。屋敷を要塞に仕立てて敵を待つ、と言う構図は西部劇のようなクラシックさを漂わせつつ、戦闘が始まってみればボカーンドカーンが派手で派手でもうおまつりか!あ、五十周年だもんね!みたいなエンタテイメントなハレっぷり。で、普段のオープニングテーマを“50th Anniversary”の文字に続くエンドロールの最初に持って来るって構成もニクい!ハラハラドキドキ、デザインも素晴らしい143分でした。

ちなみにエンドロールにもクレジットされていた軍艦島ですが、デッドシティのモデルとして重要な資料になったと言うことだそうで、実際の撮影はセットで行われたそうです(長崎新聞『「007」に軍艦島が登場』)。いつかダニエルもハビエルも軍艦島を見にくるといい……。

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『Wonder Land〜暮れの元気なご挨拶、TOKYO No.1 SOUL SET〜』@LIQUIDROOM ebisu

毎年恒例ソウルセットのリキッド。

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団は初見。楽しかった!ちょっとキヨシローさん思い出した。neco眠るは二年前のこのイヴェント以来で、ドラマーくんが脱退後どうしてたのかなと思っていたらそのまま二年休んでいたとのこと。新メンバーを迎えて今年活動再開したそうで、森くんがまた呼んでもらえて嬉しいと言ってました。op後しばらくベースレスで演奏が続いたので、え、ドラムだけじゃなくあのベースの子もやめちゃったの…と不安になっていたら出てきて、例のパフォーマンスを変わらず披露してくれました。オモロい。


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12月29日(土)
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