ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ウエスト・サイド物語』シネマティック・フルオーケストラ・コンサート
「アメリカ」がやはり象徴的で、当時は曲がとにかく大好きだったがこうやってストーリーの流れで聴いていくと、改めて歌詞の素晴らしさにガーンとなる。アニタに代表される女性とベルナルドに代表される男性、移民たちがアメリカの光と闇を唄う。女性たちはそれでもまだアメリカでやっていこう、アメリカは自由の国で移民も受け入れてくれる!と言うあっけらかんとした希望みたいなものが込められているけど、男性たちは諦めと憎しみの方が強調されている。その後ああいうことになる訳で、アメリカに踏み躙られていくアニタの心情を思うと胸が潰れるわ……いやもう。作詞はソンドハイム。ミュージカルに疎いので彼の名を覚えたのは最近で、そんな昔から活躍されている方だとはつゆ知らず腰が抜けました…って、このひとそもそも代表作が今作でしょうに。しかもこれ27歳のときの作品なんですね。す、すごい……。NY出身、ユダヤ系ドイツ人移民と言うルーツを知りまたじんねりしました。

それにしても「アメリカ」、名曲中の名曲で、単体で聴いても素晴らしいし慣れ親しんでいるものですが、今回改めて映画本編で聴けてよかったなあ。歌詞も振付も…いやもうここは感極まりましたよ。ストーリーがその後どうなるか知っているってのもあるけど、あのシーンの登場人物たちホント幸せそうなんだもの。人生って素晴らしいと思える、生命力溢れる一瞬が描かれている。

カーテンコールで佐渡さん涙ぐんでました。バーンスタインの最後のお弟子さんですから、去来する思いがあったのでしょうね。素敵なステージでした。

09月22日(土)
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