ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『金閣寺 ―The Temple of the Golden Pavilion』、川勝さん
1月31日未明に川勝正幸さんが亡くなった。ACTシアターのすぐ近く、TBSラジオのスタジオでは、菊地さんや大根さんが追悼番組を放送していた。大根さんの番組は帰宅後即ラジオをつけ終了迄聴き、菊地さんの番組は録音したものをその後聴いた。
誰かを喪ったときの菊地さんの言動は、いつも真摯さと敬虔さとカオスに満ちている。その場面には一観客として、一リスナーとして幾度か遭遇している。喪失に執着するな。喪失を受け入れろ。そして、受け入れたフリは一番止めろ。「欲しかったけど手に入らなかった物」なんて、そんなもん幸福のシンボルじゃないか。
「音楽は通路(ツール、かも知れないが、通路、と言う言葉もしっくりくる)を選ばず届く。全ての死者に。」と言う言葉を皮切りに、菊地さんは2時間ひたすら音楽と献花文を届け続けた。そして最後にこう言った。「今は言葉を持たない。これから川勝さんの死とじっくりと向き合い、ライド出来るようになったら、何かしら話したり書いたりしようと思います」。待つ。
正直なところ、ただの一読者に過ぎなかった自分でもまだ信じられない。しかし川勝さんに教えてもらったこと、ものは数知れない。川勝さんを最後に見たのは菊地さんのライヴだった。川勝さんが菊地さんと出会ってからのこの8年、菊地さんのライヴでは必ず見掛けていたと言っていい。それ以前にはスカパラやSDPのライヴ会場、宮沢章夫さんの作品がかかる劇場、そしてリンチの映画がかかる映画館(これは滝本さんとコンビで)で。「あ、川勝さん来てるよ」。何度この言葉を口にしたことだろう。現場に必ずいる。それも川勝さんが書くものを信用出来る理由でもあった。いとうせいこうさんの献花文「目利きのいない世界は闇に等しい」を繰り返し思い出している。今は、ただただ、感謝を。
02月03日(金)
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