ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『金閣寺 ―The Temple of the Golden Pavilion』
そして何にどひゃーとなったかって、山川冬樹さんが金閣寺だったことですよ。いやもうね…観る前にTwitterで何の役かを知ってしまい(ネタバレ回避してたのに、まさかご本人によるRTで知るとは・泣)覚悟はしていたものの、やはりすごいインパクト。キャストスタッフ発表になった時は「演奏」とクレジットされていたのに、途中から「出演」になったのでどういうことだろうと思ってたけど……。役名は鳳凰、金閣寺のてっぺんにいるあの鳥。初めて実物の金閣寺を目にした溝口に「それは古い黒ずんだ小っぽけな三階建にすぎなかった。頂きの鳳凰も、鴉がとまっているようにしか見えなかった。」とこきおろされるその“カラス”は、溝口の葛藤の歩みとともにその存在感を増していき、前へ踏み出そうとする彼の前に立ちはだかります。溝口が女性と交わろうとするとボエェェェェェエ、なんか新しいこと始めようとするとボエェェェェェエ。マイクで増幅されたホーメイとノイズがもうなんてえの、孫悟空のあれ!頭についてて三蔵法師がお経読むとギリギリギリって絞まる輪っか(今検索して緊箍児と言う名前だと知る)みたいだよ!もう溝口でなくとも勘弁してくださいと泣きたくなる……森田くんのファンからすれば「やめて金閣さん!これ以上溝口を苦しめないで!」と思ってしまったのではないだろうか。ああっすごく感動したのになんでこんな感想に。ホントすごい声なんだよ!

そんな金閣さんと溝口の対決とも言えるクライマックスはもー、弾丸のような山川さんのホーメイと絶叫する森田くんの声のガチンコ。直接身体をぶつからせている訳ではないのに接近戦、肉弾戦のように感じられる、破滅の痛みと甘さ、美しさが激烈に伝わるシーンでこっちの首もガチガチです。このシーン時間にするとそんなに長くない筈なんだけど、とにかく濃くて随分長く感じた…それこそ金閣寺に火を放った溝口がその場から離れ左大文字山にのぼり、その火と煙を眺めやる迄…そのくらいの時間経過に感じた。もっと観ていたいと感じた。終わるのが惜しかった。それを引き受け静かに最後の台詞を語る森田くんの鎮まりっぷりもすごかったな…本当に火が消えていくような……「生きよう」と言っているのに、達成感に充ちたものではなく抜け殻になったような身体。印象的なラストシーンでした。

あ、でもね山川さん、鳥の声とかもやってました。溝口と鶴川が仲良く話している場面で窓から顔を出してピチピチ、ピピピピピ…とやっていたところは心休まるひととき。しばしの安息を得た溝口の心情に寄り添う優しいさえずりでした。

新しい劇場のオープニング公演で「継続する美は嫌いだ、建築もそうだな」なんて台詞があるってのにもニヤリとさせられました。今後のラインナップも楽しみです。

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・KAATは新しい建物独特の匂いがまだしてた。ホールは大きめのSePTみたいな作りで見易かったです。1Fのカフェのランチもおいしかったー

・せっかく横浜迄来たので帰りは中華街→山下公園→赤レンガ倉庫→みなとみらいを散歩して帰って来た。寒いの好きな方なんで楽しかった

02月12日(土)
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