ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『武満徹トリビュート〜映画音楽を中心に〜』
白眉は『乾いた花』。「冒頭の賭場のシーンですね。すごく格好よくて…もとの作品もタップの音を使っていて、いつかステージで再現したいと思ってて…でもわたしにはタップダンサーの知り合いなんていなくて(笑)でも、去年、出来たんです、タップダンサーの知り合い!(満面の笑み)そうだ、これで出来る!と思って!」あはははは、熊谷さんを紹介してくれて有難うカヒミさん!熊谷さんのタップからリズム出し。静かに、しかし膨大な打撃音が低く地を這うように滑り出す。そこへ芳垣さんが並走、アイコンタクトでブレイクを決めた時にはぶわっと鳥肌立った!ブレイク後間髪入れずTTとギターのノイズ、一瞬の空白にサイン波がドロップ、沈黙にぱっと咲くカヒミのウィスパーナレーション。大友さんのキュー出しで音が動く動く、ヘンな例えだけどバスケットボールの試合みたいなスピード感。攻守がコンマ何秒かで入れ替わり、パスを受け取った演者は一気に走る。ホールの鳴りもいい!どこ迄も走っていけそうだ、曲がいきものになって、演者がそれにドライヴしてる。いつ迄でも続けられるんじゃないの…ああでもここで終わりかな、フェイドアウトしていく、照明も落ちていく……とそこでニヤッと笑った大友さんが腕を振った!続行のサインです。熊谷さんの「うへっ」って笑い声が聴こえたよ(笑)。そして再びのフェイドアウト、エンドマークはカヒミが刻む、「こんな悪い夜、好きよ」。……「くくっ」と笑った熊谷さんが身体の力を抜いて姿勢を正し、一瞬の沈黙。……割れるような拍手!
「えへへ、あんまり楽しかったんで延長しちゃった。照明さん段取り破ってごめんなさい」と大友さん。……これはホントすごかった、再演の機会があればいいのに!
浜田真理子さんの芳醇なうた「翼」「○と△の歌」でしっとりとクールダウン。保湿…ううう、うるおい。この緩急織り交ぜた構成も素晴らしかったなあ。
そしてラスト、『怪談』より「耳無し芳一の話」。この作品では、楽曲だけでなく録音、音効も全部手掛けたと言う武満さん。映画音楽としては残されている録音されたものを聴けばいいけれど、ライヴで再現するならば音が発せられた過程も作品として見せたい、舞台作品として成立させなければと思った、と言うようなことを大友さんは仰ってました。果たして舞台上に現れたそれは、田中泯の踊りと西原鶴真の琵琶語り、「物音」の飴屋法水を招くと言うもの。平家の怨霊としての田中さん、芳一を体現する西原さんの応酬はそらもう夢に出そうな凄まじいもんでしたが、個人的には効果音を発する存在として飴屋さんを迎えたってのが大友さんすごいと言うか流石と言うか。過去何度か「物音」として大友プロジェクトに参加している飴屋さんですが、今回はまさにドンピシャといったところ。実際それがパフォーマンスとしてズッパマリだったと同時に、音程を捉えた効果音を発しているように聴こえた(実際そうだろう)ところに恐れ入りました。
もうこの作品、聴きどころ見どころあり過ぎて途中からどこ見ればいいかわかんなくなったよ!目と耳が10個くらいほしかったよ…(泣)うわーんこれも再演してほしいー。
その飴屋さんの音出しはと言うと、まつぼっくり?や陶器を擦り合わせたり、箱に果物を入れて振ったり、陶器に硬貨を落としたり、鐘(これが唯一楽器っぽいと言えば楽器ぽかった)を鳴らしたり。このタイミングと音程が絶妙。多分聴くひとが聴いたらちゃんと譜面に起こせると思う。他パートと合わせても不協和音にはならないと思う。終盤は骨壺を出してきて、マジックで文字を書き出した。「おばけ も」迄しか読み取れない、何て書いてある?おばけもいる?おばけもおどる?おばけもいっぱい?終演後ご本人のツイートで「おばけ もののけ ひと」と書かれていたと知る。その後しばしの間を置き、カナヅチでパーン!と粉砕してしまった。白い煙が立ち上る。隣のSachikoさんの方に迄破片が飛び散って、Sachikoさん笑ってはった…(苦笑)しかし音出しとしてはある種の解放感すらありました。ここからクライマックス、と言う絶妙のブレイクになった。
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12月13日(月)
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