ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『じゃじゃ馬馴らし』『ソーシャル・ネットワーク』
それにしても亀治郎さんと筧さん、どちらも自分の芸でガチンコでした。龍虎の対決ですよ!俺対俺、極端な話変人対変人(笑)。なんだろ野放しとは違うんだけど、自分の持っているものを惜しみなく出せる、それは現代劇でもシェイクスピア作品でも蜷川演出でも揺らぐことのない確固としたものを持っているふたりだからこそ。そしてそれを受けとめて、自分の演出作品に仕上げる蜷川さんも素晴らしい。演者が入る迄の枠組みの強固さ、入ってからの柔軟さ。いやー、こうなると今度は蜷川演出で筧さんの出演するシェイクスピア悲劇を観たい、観てみたいよー!そして亀治郎さんの演じる『サド侯爵夫人』とか観てみたい…この作品来年蜷川演出でやるのが決定してますが、亀治郎さんでも観てみたかったなー!
それにしても筧さんの衣装はいちいち面白かったわ…馬に乗ってる時の装束、くわがた…?みたいな兜で腹がよじれる程笑った。
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ぴーとさんと初めてお会い出来て、芝居の話もいろいろ出来て、さい芸のビストロやまで優雅なランチも出来て楽しかったーうまかったー。その後六本木に移動してMIOさんと合流、飴屋さんが箱から出た後最初の食事をした中華屋さんでごはん食べつつ音楽の話をいろいろ。こちらも楽しかったー。
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東京国際映画祭『ソーシャル・ネットワーク』@TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン6
たった6年前の出来事が、普遍性をも湛えた古典のような重厚さを備えた映画になった。裏切り、憧憬、嫉妬、誤解。ちょっとした逡巡、一時の勢いに任せた激情が、ボタンを掛け違えたかのように次々と取り返しのつかない事態を招いて行く。これはシェイクスピア作品のようではないか。それでいて、どうしようもなく現代的。若さ故の瑞々しさと苦さを描いた青春映画は、ひと昔前なら学園内での恋愛、スポーツ、バケーションと言った展開になりますが、今の若者は起業して何千億もの金を動かしてしまう。
スピード感溢れる台詞の応酬、舞台の台詞劇にもなりそうな芳醇な言葉たち。それを圧倒的なスピードで操りグイグイ観客を引き込んでいく役者たち。アーロン・ソーキンの脚本がすごい、ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイクら役者がすごい。そしてそれをテンポ良く緊迫感に溢れた映像に落とし込み、なおかつ登場人物に一瞬、ほんの一瞬浮かび上がる雄弁な表情を余すことなく掬いとった監督のデヴィッド・フィンチャーがすごい!
大雑把に言ってしまえば出会い系SNSを立ち上げようとしたエリート学生がオタクなプログラマーの能力を買ってサイト作成を依頼、プログラマーはそれを出し抜いて自分のものとしてオープン。アイディアを返せ!金払え!とケンカになる話です。プログラマーには共同創立者として出資を引き受けるちょいとした小金持ちのルームメイトがおり、彼ともケンカになる。子供じみた顕示欲や幼稚な意地の張り合い、コンプレックスの裏返しから来る他人への見下しが描かれます。正直言って子供のケンカなのです。しかし子供のケンカで済まなかったのが現代的なところ。彼らがやったことはあっと言う間にインターネットと言う網に散り、巨額の金が動く。幼い考えのまま社会に出て行かざるを得なくなった登場人物たちは、ちょっと可哀相にすら見える。
そこには特権階級の存在、そこに属するひとたちの無邪気な差別意識と、そこに“仲間入り”をしようとする、才能ある若者の姿がある。コネも金もないけれど、才能がある。彼は「自分は評価されるべき」と、別の特権意識を持っている。多くのものを手に入れるために、ひとりの友人を失う男の子の話にも見えます。でもやっぱり彼はひとつのものを手に入れるために、多くのものを捨てることになったのだと思います。どこかに属するため、そこに仲間入りするため。壊れた関係は二度と元に戻ることはありません。
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10月23日(土)
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