ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
[648790hit]
■『珠響〜たまゆら〜』『BLANK MUSEUM LOOKING FOR THE SHEEP day1』
ギャラリーIIIへ。飴屋法水たちの『馬』が展示されていました。血染めのベッドと馬の首。インスタレーションとパフォーマンスをやる、とのことだったので、まずはこれかと見入る。ギャラリーIVへ移動するとそこは『Looking for the BLACK SHEEP.』の世界。先程の女の子が踊っている。傍らにはアナログレコードをかけて聴き入る紳士。入口から覗き込んでいたら、羊がやってきて同じポーズをとられた。あ、これは遊んでくれそう、と思って思わずなでちゃったらぐるりと振り返られガン見される。と言ってもきぐるみのマスクなので実際はこっちを見ているか判らない。きぐるみ一枚を隔てただけで、コミュニケーションの様相が変化するのは何故だ?と言っていたのは誰だったか…飴屋さんもそういうのテーマにしていたよなあ……等と思う。親しさの垣根を越えさせるものが視覚にある。そしてさわると気持ちがいい毛並み、触覚も安心する。実際に安全かは判らないのに。
ギャラリーIVでは壁面に3の数字をモチーフにしたダイアグラムが映されていたが、ギャラリーVでは4がモチーフ。ここでは男性ダンサーが踊っている。しばらく観ていると羊がやってきてまた相対峙、「おまっ、またいたか!」と言う仕草をされる(笑)。スペースを一巡した羊は私とささんの間にぐいぐい割り込んで、設置されていたカメラに向かって挑発ポースをとって出て行った。このカメラはどこかに中継されているのかな?
で、1Fに戻って気が付いた。The Hallにスクリーンがある。分割して各ギャラリーの様子を中継している。あー、こういうことか!と思った途端にパフォーマンスが終了。くー、やられた。しかしホールにロックオンして全部を観るだけではつまらないよね。断片から見えない全貌を想像するのはむしろ面白かった。
会場をうろうろしていたら山川冬樹さんが庭に出て来た。服を脱いで心臓部分にマイクをセッティング。おお、これからだ、間に合った!飴屋さんたちはもうやっちゃったんだろうか…と思い乍ら芝生に座る。山川さんの心音コントロールからスタート、屋上に伊東篤宏さんがオプトロンを持って現れる。オプトロンの蛍光灯、山川さんの心拍と同期する白熱灯の光がだんだん暗くなって来た野外に映える。そのうちギターを演奏していた山川さんが庭から出て行ってしまった。あ、こりゃ屋上へ行くなと思っていたら来た来た、屋上のヘリギリギリのところに椅子を置いて座り(こ、こわい)、伊東さんと向かい合ってイギルを演奏し、ホーメイを響かせる。いつ聴いてもすごい倍音…拡声器を通しているのでエフェクトがかかっているようにも聴こえて、ひとの身体からこんな音が出るのかと感嘆しきり。
呆然としている間に演奏は終わり、山川さんが片付けに戻って来た(笑)。するとスタッフさんが出てきて「この周辺もパフォーマンスエリアになりますので移動をお願いします」と言う。飴屋さんや立川貴一さんたちが出て来てセットを準備し始める。ああ、今からだ、よかった!しかし観るのにいい場所が見付からない…結局カフェ付近迄下がることに。これがちょっと失敗だった。映像が建物の壁面に映されていたらしいがそれが全く見えず、芝生面に映されていた映像も見えない。パフォーマンスエリアから距離をとったので細かい動きが判らない。この細かい動きがかなり大事だったように思う。そしてセッティング面でもトラブルがあったようで(火がつかないとか音響がカフェ付近迄伝わりづらい等)こちらの取りこぼしも多かった。惜しい。翌日はうまくいったようなのでそちらも観たかったな……。
原美術館と言う場から想起されたと言う「戦後あたりからのいくつかの日本の小説をモチーフにした」作品。テキスト引用と参照は小島信夫の『馬』だったとのこと。燃やせば記憶に残るから、ものを燃やす。最後にはひとも燃やす。燃やせば忘れることはない。きっと馬小屋も馬も燃やされてしまったのだろう。立川さんと村田麗薫さんの声は、飴屋さんの近作では欠かせない存在。目隠しをした大西ようこさんによるテルミン演奏は、遠く迄音も伝わり幕切れに印象的な場面を残してくれた。
そしてこれを観ている途中でふと隣を見ると中原昌也がいてまたビビる。怖い!(泣)
[5]続きを読む
08月28日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る